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5月24日のまにら新聞から

就任式はどちらに?

[ 707字|2004.5.24|社会 (society)|新聞論調 ]

2人の「大統領」

 フィリピンは大統領就任式が行われる六月三十日、一九八七年憲法下で初めて「二人の大統領」の就任を祝うことになるであろう。アロヨ大統領と「ポー大統領」の就任式である。

 二人とも、五月十日の大統領選挙での勝利を主張している。アロヨ大統領は、ナムフレルの集計を根拠とし、ポー陣営は与党陣営によって選挙不正が行われており、自分が大統領当選者だと主張している。

 野党連合によると、ポー陣営はマニラ市、パンガシナン州、ラグナ州、南コタバト州のいずれかで就任式を行うと考えているという。与党連合のドリロン上院議長によると、アロヨ大統領の就任式はビサヤ地方のイロイロ州かセブ市で行われる可能性もあるいう。しかし、与党連合スポークスマンのデフェンサー住宅都市開発調整協議会議長は、大統領の就任式は、(野党による政権の)乗っ取りを防ぐため、マラカニアン宮殿で行われるだろうと話している。

 しかし、両方の就任式に招待されている実業界や政界関係者は悩んでいる。どちらに出席すべきか? 在マニラの外交関係者は、既に緊急会議を招集しており、多くは両方の就任式に出席することにしたようだ。

 ドリロン上院議長とデベネシア下院議長は「六月三十日には『正当に選出された大統領』とともにいることがわれわれの義務だ」としている。ダビデ最高裁長官は、どちらの就任式にも出席しない意向だ。

 ドリロン上院議長は、憲法を引用して、もし六月三十日までに正副大統領に誰も当選発表されないならば、上院議長である自分が大統領職を代行すると主張している。「私の宣誓式は故郷イロイロ市で行う」と同議長は記者団に話した。(23日・タイムズ、フレッド・デ・ラ・ロサ氏)

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