これ以上口出しするな
軍、警察の政治介入
軍の後ろ盾による「民衆革命」を起こし、軍首脳を経て国防長官を務めた人物が大統領になる国では言いにくいことかもしれないが、誰かが明言しければならない。「国軍や警察が政治にこれ以上口出しすることを止め、クーデターに制服組を引き込むことはするな」と。ただでさえこの国は政治的に不安なのだ。
各大統領候補たちも軍や警察には五月の選挙時に中立を保つよう訴えている。しかし同じ候補者たちが実は軍や警察に自分たちのシンパ層を拡げているのだ。ポー氏やラクソン氏はそれぞれ同じような協力者組織を持っているし、アロヨ政権自体も警察幹部や軍幹部を密かに協力者として囲っている。そしてこの三組織は五月までお互いにクーデターの噂を出し合って行くであろう。
さらに問題を悪化させているのが現国防長官である。彼は政局の不安定化を目指しているグループを指摘し続け、国民の不安をあおり続けている。野党勢力はこれに対し、選挙を中止させるため政権が政情不安を招いていると非難している。
こんな情勢が生まれた原因としては国軍や警察の幹部たちが変革に対し最も抵抗していることが挙げられる。現役であれ退役であれ彼らは国にとって非常に醜い影響を与えるカードゲームを楽しんでいるのだ。彼らは下級将校らに対し、政治に干渉するのは悪いことではなく、逆に早い時期から始めた方がより得だと教えてもいるのだ。
ホテルを占拠した理想に燃える若手将校らが個人的な政治目的を持った人物に操られていたのは不思議でない。軍や警察の幹部らが政治に口を出す限り、政情不安は続き、専門職組織としての国軍や警察を確立できないだろう。(1日・スター)