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2月16日のまにら新聞から

両者とも原点に戻れ

[ 694字|2004.2.16|社会 (society)|新聞論調 ]

アロヨ、ポー候補の問題

 「人はパンのみにて生きるにあらず」。人気俳優の大統領候補、ポー氏がフィリピンが抱える最大の問題を、「朝食、昼食、夕食」と述べたとき、アロヨ大統領はこう反論した。

 ポー候補にとって「三食問題」は比社会の病を象徴する。しかし彼はこの問題が何に起因しているかを学ばねばならない。ニューヨークや東京など世界の大都市の最先端部門で働く人々は多忙のためまともな食事を一日一回しか取れない。

 確かに、三食食べられないのは、経済的未発達のもたらす典型症状だ。だが、経済発展の達成という作業は土木工事ではない。強固な精神と熟慮、慎重な実行力が必要なのだ。三食ばっちり食べれば解決するものではない。アロヨ大統領はポー候補の発言に対し「えー!それだけなの」とおちゃめに答えればよかったのだ。

 大統領は「投資の阻害要因になっている汚職文化をなくさない限り、すべての国民の食卓に食べ物は行き渡らない」と語っている。しかし、大統領にこのようなことを語る資格はない。なぜなら開業が大幅に遅れているマニラ国際空港第3ターミナル問題ではドイツ企業が汚職容疑で現政権を訴えているのに、彼女はこれに言及しようとしない。

 汚職を撲滅するのに必要なのは刀や剣でなく、「清潔な手」なのである。汚れた手でいじくれば傷は悪化する。ベニパヨ検事総長は大統領府の度重なる干渉に耐えかねて辞職するという。

 両候補とも原点に立ち戻るべきだ。ポー候補は「少なくとも何か」を語るべきだし、アロヨ候補は明確で具体的な政策を示すべきである。アロヨ政権が選挙運動を「知性競争」にしたいのなら、その一端を見せてほしいものだ。(13日・トゥデー)

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