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2月9日のまにら新聞から

ポー氏でペソ続落

[ 685字|2004.2.9|社会 (society)|新聞論調 ]

次期大統領選

 インフレ率は低レベルを維持し、昨年の国民総生産(GNP)成長率は予想を上回る五・五%。しかし、他のアジア諸国の通貨がドルに対して強含みで推移する中、ペソの対ドルレートは下落する一方。三日には終値として史上最安値となる一ドル=五六・二〇ペソを記録した。なぜこんな事態になったのか。

 専門家は経済・政治の不安定さを要因に挙げる。政府の財政赤字は昨年、千九百八十七億ペソ、対外債務は五百六十三億ドルに達した。中銀はこのままいくと二年後に財政危機に陥ると警告している。

 しかし、経済問題だけでは現在のペソの窮状は説明できない。政情不安を予測させる幾つかの出来事に対する市場の懸念と、それに乗じた投機家のペソ売りが背景にある。一つは国軍将校の現政権非難事件だが、深刻に受け取る者はほとんどいない。投資家らの不安を膨らませているのは、野党連合大統領候補、人気俳優のポー氏が大統領になるかもしれないということだ。

 昨年十一月末にポー氏の出馬表明を受けてペソは史上最安値を更新した。その後も中央選管が同氏の立候補資格を認め、同氏が大統領選の支持候補に関する世論調査でトップとなったとき、相次いで急落。同氏が大統領に当選したら、ペソは一体どうなるだろう。

 ポー氏は来週から選挙キャンペーン期間に入るというのに、まだ経済政策を公表していない。同氏は「国民の関心はきょう何を食べるかということだ」と指摘している。それは正しい。しかし、財政赤字や対外債務などの問題に取り組むことなしにどうやって国民を助けるというのだろうか。映画の中であれば可能だろうが。  (7日・インクワイアラー)

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