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7月21日のまにら新聞から

警官自身の問題だ

[ 742字|2003.7.21|社会 (society)|新聞論調 ]

テロリスト脱走事件

 インドネシア人テロリストのファトゥール・アルゴジ被告らが国家警察本部の拘置所から脱走した事件への対応で、アロヨ大統領は、アルゴジ被告のような折り紙付きの人物を確実に隔離するため同本部内に最重要警戒施設を設置するよう命じた。しかし、こんな措置が果たして役に立つのだろうか。

 今回の脱走事件で浮かび上がったことは、警察官の汚職とトップの怠慢、そして単なる愚かさが原因ということだ。拘置所は高いコンクリート塀に囲まれ、何人もの警官によって警備されていた。精鋭の国家警察情報部が使用する拘置所だけに素手の被告たちがたやすく脱走できるはずがないと誰もが考えた。

 また、この拘置所は国家警察本部の塀の内側にある。国家警察長官が常に駐留する国内で最も厳重な警備が敷かれているべき場所だ。しかし、これまで、この基地から何人の悪名高い犯罪者たちが脱走したことだろう。アブサヤフのリーダーのカダフィ・ジャンジャラニ容疑者を含め、今回のアルゴジ被告まで何人もの脱走者を出している。

 アルゴジ被告と彼の仲間たちは拘置所のかぎやドア、窓枠などを壊した形跡がない。彼らが警備担当者に金銭を払ったか、もしくは内通者がいたと考えられるのだ。このような習慣が存在する限り、国家警察本部にどんな拘置所を設けても脱走を阻止することはできない。アルゴジ被告やアブサヤフのメンバー二人を今回逃がしたのは、建物が原因ではなく、警官自身の問題なのである。

 新しい拘置施設を建設することになれば、それでまた新たなわいろが横行するだけだろう。アルゴジ被告脱走で解任される警察幹部は、新施設の建設に伴い、たっぷりの仲介料を受け取ることになるのかもしれない。 (18日・スター)

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