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5月26日のまにら新聞から

軍事攻撃をやめよ

[ 718字|2003.5.26|社会 (society)|新聞論調 ]

対MILF攻勢激化

 政府は凶暴化している。

 政府は国軍にミンダナオ島中部のマギンダナオ、北コタバト、北ラナオ各州とサンボアンガ半島の一部地域を爆撃するよう命令している。この爆撃で少なくとも八十人が死亡した。激しい爆撃と死者数は増加の一途をたどり、死傷者リストには無実の市民の名前が連なっていく。

 「イスラム教徒の国」を意味する「バンサモロ」の人々への国軍の攻撃再開は、疑いもなくアロヨ大統領の訪米に時機を合わせられた。結局、大統領は「テロへの戦い」に協力し、テロリストとの疑いがあればちゅうちょなく殺すイヌを好むブッシュ米大統領に好印象を与えたかったのだ。

 国家警察によるお粗末な捜査のみに基づき爆破テロ事件の首謀者の明確な割り出しもせず、イスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)を犯人として都合良く名指しすることによって、大統領はミンダナオ全体を戦争状態に陥れたのだ。

 連続爆破テロ事件が起きたダバオ市はミンダナオ島にある。同島はバンサモロ運動の温床で、MILFはバンサモロ最大の好戦的な組織だ︱︱。こんな単線的思考でMILFがテロ事件を企てたとの論理が組み立てられ、情け容赦のない軍事攻撃が続いているのだ。

 だが、だれが「死体はMILFの構成員のものだ」と言うのか。国軍だ。だれが「潜伏しているテロリスト」と名指しするのか。国それも軍である。ただちに爆撃はやめるべきだ。

 大統領の訪米について自慢すべきことはまったく何もない。訪米中も南部におけるイスラム勢力への国軍の攻勢は激化し、大量虐殺によって無実の民衆の命が奪われ、国軍が闇の中の見えない敵に対し爆弾を投下していたのだから。(21日・ビジネスワールド、アージー・ゲバラ氏)

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