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2月24日のまにら新聞から

国連の承認は不可欠

[ 716字|2003.2.24|社会 (society)|新聞論調 ]

イラク問題への対処

 イラクのフセイン大統領が死んでも涙を流す人間はほとんどいないだろう。あのウサマ・ビンラディンでさえ、フセイン大統領はいまや尊敬の対象たりえないことをテープ・メッセージで明らかにした。だが、米国率いる多国籍軍がイラク先制攻撃に踏み切った場合のイラク国民への影響に対しては懸念を表明している。

 ビンラディンは悪魔の化身かもしれない。しかし、彼のイラク民衆に対する公然たる懸念は穏健派イスラム教徒の間にさえ共感を呼び起こしている。

 同様な懸念から、先週末、イラク問題に関する平和的解決を求めて世界各地で反戦デモが実施された。強制的にフセイン大統領を排除した場合、それが引き金となって国際的テロ組織、アルカイダなどイスラムによるテロ活動が活発化する恐れがある。だからこそ、米国や米国支持に回る国は事態を忍耐強く、注意深く見守る必要があるのだ。

 今や米国がなぜ開戦しようと躍起になっているか、については世界の誰もが承知している。つまり、イラクが大量破壊兵器を保有していた場合、真っ先にターゲットにされるのは米国だからである。大多数の人間が問題視しているのは、イラクがそれらの兵器を保有しているか否かではない。自国民さえ苦しめてきたフセイン大統領なら、何のためらいもなく所有している大量破壊兵器を敵に対して使用するだろうということである。

 戦争はいつも悲惨な結果を招く。とくに今回の戦いは、イラク側が予想される攻撃に対して防御を固める時間が十分にあっただけに、一層、悲惨な戦いとなろうし、世界に長期的な悪影響を与えよう。だからこそ、攻撃やむなしとしても国連の承認を得るなど最大限の倫理上の配慮が必要なのである。(18日・スター社説)

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