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2月10日のまにら新聞から

国民を苦痛にさらすな

[ 713字|2003.2.10|社会 (society)|新聞論調 ]

米追随の大統領発言

 「平和的手段で解決されない場合、フセイン政権の信用は完全に落ちるだろう」「国連はその時が来れば、武力行使に向けた準備をすべきだ。さもなければ国連の権威を失うだろう」——これは武力で脅そうとする戦争屋のブッシュ米大統領の言葉ではなく、アロヨ大統領の口から出た言葉だ。この発言に続いて、ロハス貿易産業長官は貿易業者に対し、「物資供給の安定を保証するため日用品を倉庫に保管するように」と呼び掛けた。

 アロヨ政権は巨大な泥沼、すなわち父親の意思を継承するブッシュ大統領が挑む戦争の前線へと国全体を導こうとしている。大統領がフセイン政権を崩壊させようと躍起になる米国のリーダーに追従することによって、戦争ぼっ発時にフィリピンがテロや報復の主要な標的になる危険にさらされることになったのだ。

 米国主導によるイラク攻撃を承諾するだけでなく、なぜアロヨ大統領は国を戦争の窮地に深く追いやろうとするのか。フィリピンは米国と比べ正反対の状況にある。米国は世界一の軍事力を誇っているが、一方のフィリピンはテロ活動に従事しミンダナオ地方の小島を徘徊する無法者を鎮圧するだけの必要最小限の軍事力すら保有できていないのだ。欧州の裕福な国でさえも自国民に危害が加わることを懸念し、米国への支持表明を控えている。

 消費者を安心させる代わりに、ロハス長官は戦争がまだ起こっていない状況で市民のパニックの度合いを引き上げることができた。アロヨ大統領の発言はブッシュ大統領を喜ばせるかもしれない。フィリピンは米国から新たな軍事協力以外に得るものはないだろう。国は、現政権の軽率な瀬戸際政策によって苦痛を伴う結果に耐えなければならない。(6日・トリビューン)

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