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2月3日のまにら新聞から

使用人はつらいよ

[ 714字|2003.2.3|社会 (society)|新聞論調 ]

世界家族会議に思う

 カトリック教会主催の世界家族会議がこのほど開催されたが、身近にいる家庭内の使用人の実態を通じて家族について考えてみたい。

 ある時、親類がメードについての不満を漏らした。そのメードは親戚宅で二カ月前に働き始めたばかりなのだが、ミンダナオにしばらく帰るので、交通費と休暇が必要だと泣きついてきたのだという。十六歳の娘が妊娠して結婚するかららしい。

 「そんなはずはない。十八歳以上しか結婚できないはずでは」と尋ねたところ、全国的にバランガイ(最小行政区)レベルで書類の偽造が横行、法定年齢に達しなくても結婚できるという。このため、単に「妊娠した」という理由で十五、六歳で結婚するケースも多いようだ。

 カトリック教会が容認する避妊法はオギノ式のみだが、十代の女性は生理周期が不安定なために効果が上がらない場合もある。しかし、教会側は頑迷に他の避妊法を認めようとはしない。

 冒頭のメードは、三年前にマニラに出てきた時は四人の子持ちだった。休暇で帰省し、舞い戻って来た時には子供が六人に増えていた。大勢の子供を養うために、再びマニラに出稼ぎに来たわけだ。

 読者諸氏は、「前借りばかり頼む」「すぐ帰省したがる」「金もないのに妻以外に愛人や子供を大勢持つ」などの不満を使用人に対してお持ちかも知れない。

 しかしその前に、年に一回以上帰省できる使用人がどれほど少ないか、故郷で子供の面倒を見てくれている家族らから要求される小遣いの類や、使用人の家族の問題について我々がどの程度理解しているか、どうすれば彼らが家族と一緒に真に人間らしい生活を送れるかについて、思いを巡らすべきである。(1月28日・インクワイアラー、ミカエル・タン氏)

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