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9月16日のまにら新聞から

テロリストの誤り

[ 728字|2002.9.16|社会 (society)|新聞論調 ]

米国のメッセージ

 罪なき人々が犠牲となった同時テロ事件から一年が経った。勇敢な生存者をはじめ国民はかつてない悪との戦いに結束し米国精神を発揚した。

 9・11は自由を信奉する全世界の人々に対する攻撃だということを忘れてはならない。恐怖と破壊によるテロは自由のアンチテーゼだ。

 テロリズムは長い歴史を持つ。事件の新しい点は、そのかつてない規模、そしてアフガニスタンのように、テロ組織が国を支配し、人々を抑圧したことだ。さらには、テロ組織とテロ国家の連携が大量破壊兵器とミサイル技術に結び付き、弱小国を脅かし始めたことだ。テロが未来を支配することはあってはならない。

 昨年、ブッシュ米大統領はテロの首謀者と支持者に対して宣戦を布告した。戦いは市民の結束に支えられ、米国は「自由を防衛する先兵」として認められた。これまでに自由を愛する九十カ国がこの戦いに参戦した。

 戦いを疑問視し、平和な世の中を望む人もいるだろう。しかし、無為無策はさらに悪い結果を招きかねない。必要なのは行動なのだ。たとえそれが戦争であろうと。

 テロ組織と連携しているテロ国家の存在は明らかだ。目的のためなら大量破壊兵器をためらいなく使うだろう。過去の戦争と異なり、大量破壊兵器は静かに秘密裏に配備される。気付いたときには遅いのだ。

 危機の存在を知りつつ、罪なき民が虐殺されるのを待つのか、事前に防ぐのか。戦うか否か。答えは明白である。

 テロリストは9・11を実に見事にやってのけたが、同時に大きな計算間違いを犯した。米国は恐れも隠れもしない。経済、軍事、外交、あらゆる手段を用いて反撃するだろう。

 テロリストは決定的に誤りを犯したのだ。(11日・トゥデー、ドナルド・ラムズフェルド米国防長官)

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