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6月24日のまにら新聞から

掃討作戦の徹底を

[ 711字|2002.6.24|社会 (society)|新聞論調 ]

アブ幹部死亡を機に

 拘置先の国家警察本部から逃亡した反政府グループ「ペンタゴン」のリーダーはさらに身代金目的の誘拐を行うと予告した。それでも、同じ日に良いニュースが二つあった。一つはマカティ市で外国人を狙って睡眠薬強盗を繰り返してきた主犯の男が逮捕されたこと、二つ目は北サンボアンガ州で国軍がイスラム過激派、アブサヤフを攻撃、幹部のアブ・サバヤ容疑者が死亡したことだ。

 同容疑者は国軍が攻撃した際、配下のメンバーと共に小型船に乗っていたが、被弾して致命傷を負い、海に飛び込んだという。国軍は逮捕したメンバー四人が同容疑者の死亡を確認したと主張、遺体を探している。国軍からの報告を受け、アロヨ大統領はこの吉報を直ちに国民に伝えた。しかし、遺体がまだ発見されていないことが気にかかる。すぐには海面に浮上してこないという国軍の情報は正しいのか。また、同容疑者の死亡が非常に誇張されて伝えられていることも懸念される。

 しかし、遺体が見つからなくても、とにかく国民は喜んだ。同容疑者はバシラン州を拠点とするアブサヤフの幹部の中で最もその名を知られた人物だった。指導者のカダフィ・ジャンジャラニが比米合同軍事演習の開始直前に行方をくらました後、同容疑者が残されたメンバーを指導、米国人人質らの拘束を続けていた。

 同容疑者は死んだ。しかし、ジャンジャラニはまだ、生きている。そして、スルー州を拠点とするアブサヤフの一派もマレーシアのシパダン島から誘拐した人質の身代金二千万ドルと共に健在だ。アブサヤフの活動は鈍っているが、脅威が完全に消えたわけではない。国軍はアブサヤフに息つく暇を与えず、細心の注意を払い掃討作戦を徹底すべきだ。(22日・スター)

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