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5月20日のまにら新聞から

教師に本来の仕事を

[ 684字|2002.5.20|社会 (society)|新聞論調 ]

教育活動妨げる雑用

 近年の学力評価試験は、児童・生徒の学力低下を明らかにしている。当面の課題は、いかに授業の質を改善するかにかかっている。子供たちは基本的に教えられたことを吸収するのである。つまり、教師の指導内容を消化して知識を得るしか手段はないのだ。

 教育の質を向上させるポイントは、適正な動機に基づいて、適切な訓練を教師に施すことに尽きる。しかし実際には課外活動︱︱子供たちが参加するバスケットボールなどのスポーツ試合の引率など︱︱に時間を割かれてしまい、新しい指導方法を収得する機会を失っているのが現状だ。

 そのうえ、公立学校の教師は新しい試練に直面している。学力低下解消の切り札として、教育省が六月の新年度から学習指導要領を改定することを打ち出したためだ。理数系科目と英語を特に重視する、この試みは新世代のフィリピン人の将来の生活を左右する重大な問題だ。

 ところが不幸にも、教師たちは課外活動に貴重な時間を割かれて新学期に備えて十分な準備ができないだけでなく、学期が始まってすぐの七月にはバランガイ選挙で選挙監視委員を務めなくてはならない。

 おまけに、これらの雑用に対しては手当ては支払われていないため、教師の間では不満が高まっており、選挙をボイコットするという話しさえ持ち上がっている。

 教師ならではの「正直さ」が評価されての起用とはいえ、いまこそ教師を政治的な活動にかり出すのをやめ、代替方法を考える時期にきている。さもないと、教師の健康がおびやかされるだけでなく、世界で競争できる人材を育成するという本来の使命がないがしろにされるだろう。(16日・スタンダード)

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