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2月4日のまにら新聞から

新聞論調

[ 665字|2002.2.4|社会 (society)|新聞論調 ]

米軍占領でミ島発展? 軍事演習めぐる会話

 ケソン市の喫茶店で耳にした男性二人の会話。

A(ミンダナオ出身)「君たちルソン島の人たちが、米軍によるイスラム過激派、アブサヤフ掃討に反対するのは、実際にゲリラに誘拐される危険が無いからだ」

B(ルソン島出身)「誘拐や銀行強盗はルソン島でも毎日のように起きているし、事件現場に真っ先に駆けつけるのは米軍じゃない。国家警察や国軍だよ」

A「軍や警察が誘拐や銀行強盗をやっているのだから、現場にいるのは当たり前だ。.第一、国軍はアブサヤフの影さえ捕らえられない。潮時だ。米軍に頼るしかない」

B「米軍に同胞を銃撃させるのかい」

A「自分がアブサヤフに撃たれるよりいいだろう?」

B「米国の陰謀とは思わないのか。最初はバシラン島、次はミンダナオ島、最後はフィリピン全土へ米軍派遣は広がるよ」

A「アフガニスタンみたいにテロリストに主権を奪われるよりましだ」

B「米国にフィリピンを占領して欲しいのかい?われわれのプライドはどうなる」

A「いつも米国から食糧や資金援助を受けているじゃないか、アブサヤフ掃討でだけプライドを持ち出すなんておかしい」

B「米軍派遣に反対する政治家もいるよ」

A「上院議員の多くは米国に家を持ち、家族も米国在住。彼らの発言と行動は別だ。それに、米軍のミンダナオ島占領で女性を中心に雇用が創出されるし、ラスベガスだって作ってくれる」

B「おいおい、何を言ってるんだ?」

A「日本やドイツを見ろ。米国に占領された国はみな発展しているじゃないか。おれはまじめだよ」

(28日・インクワイアラー、ニール・クルーズ氏)

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