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6月11日のまにら新聞から

依然「国民の英雄」

[ 712字|2001.6.11|社会 (society)|新聞論調 ]

経済支える海外就労者

 四日から九日までは「海外就労者週間」だ。アロヨ大統領はマラカニアン宮殿で七日、海外就労者十二人に「現代の英雄賞」を授与した。

 就労者の恩恵は多かれ少なかれ、その家族だけでなく全てのフィリピン人が受けている。合法的な銀行送金にしろ、非合法な裏ルート送金にしろ、手段の違いはあるが、年間総額は少なくとも七十億ドルに上るとみられ、我が国の外貨不足を補っている。

 また、送られる米ドル、マルク、リラで家族は衣食住の面で救われている。子供らには教育費となり、彼らは医者や看護婦、会社経営者へと巣立って行く。

 アロヨ政権のおかげで就労者は今まで以上の恩恵を与えられるようになった。今後は、二十四時間以内に就労に必要な書類をそろえることが出来き、政府は海外就労者の求人ホームページを間もなく開設する。大使館など在外公館のサービスなどに対する就労者からの苦情にも、適切に対応して行くという。

 しかし、アラブ諸国などを中心に、人権侵害事件も相変わらず多発している。政府は一方的に就労を禁止するわけにはいかないので、就労者は自分で適切な雇用先を選び、トラブル発生時には自分で抗議することになる。当然、就労者の政府に対する不満は募っている。

 政府は悲惨な労働環境で働く建築労働者や 無実の罪で訴えられ、死刑を宣告された就労者に救いの手を差し延べるべきだろう。割高な海外での旅券申請費用についての苦情もある。

 政府は二十七年前、経済状況の悪化に対処する一時的な対策として海外就労を奨励した。しかし、その後も国内産業は発展せず、われわれフィリピン人は依然、海外就労者を国民の英雄として讃え続けている。彼らに祝福を!。 (七日・タイムズ)

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