沈黙守る副大統領
「影の内閣」発足問題
社会福祉開発相を兼任するアロヨ副大統領が沈黙を守り続けている。
波紋を広げている「影の内閣」発足問題に絡み、エストラダ大統領に「閣内残留か辞任か」を迫られた。しかし、副大統領はこれに対して公式コメントを一度も発表していない。
副大統領が所属する最大野党ラカスのギンゴナ上院議員はこのほど、大統領に辞任を要求する公開文書を送りつけ、ラカス党内ではアロヨ氏を大統領候補に擁立し、政権奪取を狙う動きがあると報道されている。
だが、アロヨ氏には何の罪もない。これまで社会福祉事業に熱心に取り組み、最も人気の高い閣僚として、大統領に反抗するどころか政権安定、国民のために努力してきた。
副大統領にとって、大統領の親しい知人が経営する企業の株価不正操作疑惑など政府高官を巻き込んだ数々のスキャンダルを弁護する義務はない。大統領の周辺問題の処理は報道官らがやるべきことだ。
かといって、ギンゴナ議員を弁護する義務もない。同じ政党に所属しているというだけで、二人の立場は違う。大統領の入閣要請を受け入れたアロヨ氏とは違い、ギンゴナ議員には野党議員として政権監視の義務がある。
国民に選出された公僕として副大統領、社会開発福祉相の職務を全うすることがアロヨ氏の最大の義務である。今は沈黙を守り続けることが最善なのかもしれない。