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1月24日のまにら新聞から

新聞論調

[ 1253字|2000.1.24|社会 (society)|新聞論調 ]

The Tone of the Press

教育の質の改善に

一斉評価テストの意義

 公立・私立小学校の生徒たちが十八日に一斉評価テストを受けたのに続ききょう、高校で一斉評価テストが行われる。教育文化スポーツ省が実施したこの一斉評価テストは、管理職やカリキュラム編成官がテスト結果を教育政策や指導要綱の改善に役立たせると共に、教員の指導能力を測ることにも利用される。

 廃止された統一大学入学試験(NCEE)は、学生が大学など高等教育機関で特定の専攻科目を学ぶ用意ができているかを測っていた。今回の初等教育評価テスト(NEAT)、中等教育評価テスト(NSAT)を正式名称とする一斉評価テストは、児童・生徒の学習能力を測ることに主眼が置かれている。NEAT、NSATとも、上級学校への進学に必須とされていないことがNCEEとの決定的な違いだ。

 テストの結果は教育関係者によって分析され、教育システムに潜む問題点をあぶり出して改善が施されることで、わが国の教育が世界のレベルに肩を並べられることを目指している。

 問題の解決について考える前に、わしたちは国内の現状を曇りのない目で見すえ、進歩を妨げている否定的な実情を率直に認識する必要がある。的確な問題把握により、自分たちが必要とする論点を明確にし、それで初めて進むべき方向性を定めることができる。わたしたちは、初等・中等教育機関で児童・生徒らが学んだ知識、技術をさらに詳細に評価するシステムを創出することを、同省に対し提言したい。(21日・ブリティン)

「危険な兆候」と警告も

大統領の支持率下落

 エストラダ大統領は、経済界とカトリック教会相手に、つかの間の「蜜月」をおう歌している。経済指標は今年も上向きが予想されるが、民間調査機関のパルス・アジアの最新の調査結果によると、一九九九年五月に七四%だった支持率は、九月に六一%、十二月には五三%にまで下落した。大統領選挙が現在実施されても勝利できる支持率だというが懸念は残る。  

 全体に先行きへの楽観ムードに包まれる中、あるグループは警告を発している。アジア開発銀行(ADB)によると、重要な改革、とりわけ金融セクターの改革が進展していないことが、アジア通貨危機からの回復の妨げになっている。特に国営企業の民営化や徴税、銀行、電力など各セクター、資本市場、政府財政支出などで、敏速な対応が必要だと指摘した。ADBはまた、急増する人口問題、時代遅れの技術、未開発のままの農村、低い貯蓄率など、手つかずのままだと言及している。

 また、マカティ・ビジネスクラブ(MBC)は、政権内部に明確な論点の不在、朝令暮改の政治決定、腐敗・汚職とともにクローニズムなどを危険な兆候と警告を発している。これらの懸念は、MBCの最新調査で明らかにされた。支持率の下落は、大統領の支持層に不満がたまっていることを示している。大統領はいたずらに「政権への揺さぶり」と特定グループを非難するより、ADBやMBCらの訴えに真剣に耳を傾けるべきだ。(20日・スター)

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