ハロハロ
2007年秋、国立新美術館で「フェルメール展」を見ての帰途、女友達から電話が来た。「今夜、『SMAP×SMAP』にアラン・ドロンが出演するから見ておいて。仕事で見られないの」。それで初めてこの番組を見た。久々のドロンはもう70代。義理にもさっそうとしているとは言えなかったが、大スターらしい貫録をみせた。
SMAPが2組に分かれて料理でもてなす趣向だった。ブイヤベースを作って出したら、ドロンのいわく「これは魚のスープだ、ブイヤベースではない。魚は最初から入れて煮込むものだ」などとピシャリ。連中、スープに途中で魚を入れたのだ。意外な「直言」にキムタクらがぎょっとたじろぐと、そこはベテラン「でもうまい魚のスープだ」とカバーした。
後日この話をしたら、彼の大ファンの女性は「さすが」と大喜び。俳優についてドロンは「自ら演技をする派と監督の指示通り演じる派と2通りあり、自分は後者だ」と言う。大根役者の言い訳みたいだが、カテゴリーで分類して自らの位置を明示したのに感心した。芸能界の今年十大ニュースというSMAPの解散劇。他のチャネルとかち合うのでSMAPの看板番組を見たのはこれが最初で最後だが、ゲストの味のある発言で印象に残った。(紀)