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8月8日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 585字|2011.8.8|社会 (society)|ハロハロ ]

 フェイスブック(FB)は、フィリピンの若い世代にも急速に広まりつつある。FBで話題沸騰となっているユーチューブ動画があると聞いてアクセスしてみた。東日本大震災をに関連し7月末に開かれた衆院厚労委での参考人説明である。説明の主は医師で東大アイソトープ研究所長の児玉龍彦教授。16分間の短い発言ながら、専門家としての分析や提言のほかに、かつてない緊急事態にもかかわらず、政治家どうしが足の引っ張り合いをしていることに、「満身の怒りを込めて」涙ながらに抗議しているのが手にとるように再現されている。

 この動画を見た読者からは、FBに数々の共感の声が寄せられている。児玉教授の息子が是非、父親の発言映像を見てやって欲しい、との一文を寄せ、それに対する感想がまた続く。ここまで共感の輪が広がったのは、大手メディアが当初は全くこの発言を取り上げなかったとの背景もあるようだ。参考人説明のタイトルが「放射線の健康への影響」という地味なものだったし、くだんの厚労委を取材した記者がいなかったに相違ない。

 世界を刻々伝えるメディアは、FBやツイッターの全盛に向かいつつあるようにも見える。中東や北アフリカで起きた「アラブの春」では、FBが大きな役割を果たした。中国では、FBの書き込みに全面削除の強行措置をとっているが、短いツイッター削除には手が回らないとか。(邦)

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