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4月13日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 561字|2009.4.13|社会 (society)|ハロハロ ]

 沖縄タイムス社主催の「戦後オキナワ あの日・あの時『あんやたん』写真展」が横浜の日本新聞博物館で開催されている。展示写真は創刊以来六十年間にわたって取材した二百五十点。創刊号や号外などの紙面、米軍統治時代の通貨なども展示され、戦後沖縄の過酷な苦難の歴史を紹介している。写真展の表題になった「あんやたん」は沖縄言葉で「あんなだった」という意味だという。

 チラシの表紙は嘉手納基地から反対派の頭上を越え、黒煙を上げて飛び立つ戦略爆撃機の写真「B52出て行け」(六九年)。イラク戦争とダブってベトナム戦争の記憶をよみがえらせる。「復帰の日に」(七二年)は「自衛隊の沖縄配備阻止」などの横断幕を掲げたデモ隊が国道を埋め尽くす。「沖縄では二十三万人の命が奪われ、戦後は日本復帰まで長く過酷な米軍統治時代が続いた」と説明書きがある。

 写真展に合わせて沖縄タイムス論説委員長の長元朝浩氏による講演会か開かれた。琉球・沖縄は薩摩軍侵攻、琉球処分、沖縄戦と米軍統治、本土復帰の「世替わり」が四回あったと説き明かし、今年は薩摩軍侵攻から四百年に当たると意義付けた。暗い沖縄史の中で、明るい出来事として沖縄尚学高の選抜高校野球での優勝(二回)を挙げた。この時ばかりは一面全面を優勝記事で埋めたと話し、会場を沸かせた。(富)

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