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5月15日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 575字|2006.5.15|社会 (society)|ハロハロ ]

 「死人に口無し」で困るのは事件記者である。マニラでは本当に困ってしまう。殺人事件の被害者が日本人でも、身元確認はフィリピン警察などに頼るのだが、正確な情報がなかなか得られない。日本大使館の領事部はプライバシーに神経を使って、分かっていても教えてくれない。本当に邦人の安全確保のためを考えるなら、地元邦字紙の努力にも理解が欲しい。記者たちは危ない目にも遭いながら、めったにホシが検挙されない事件の真相に迫ろうとしているのだ。

 日本の警察も次第に被害者情報すらメディアに知らせなくなっているという。三途の川を渡ってしまった被害者に情報公開を説得する方法はないから、警察の判断に反論することもできない。事件記者は泣き寝入りだが、それを良いことに事実確認をなおざりにすれば、今度は報道の自由が殺される。新聞の犯罪防止能力は下がる一方だ。

 フィリピン女性が二人、が「春の叙勲」を受けた。晴れがましいことだから、大使館が二人の基本データを教えてくれると思ったら、広報責任者が年齢すら教えない。確かに女性にとって年齢は隠したいものだろうが、ご本人がつかまらないから、叙勲を決めた政府の出先に聞くのである。拒まれて、とうとう年齢なしで記事にした。東京から届いた新聞を見たら、受勲者全員の年齢が外国人を含めて載っていた。いったい誰が教えたのだろう。(水)

ハロハロ