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3月8日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 517字|2004.3.8|社会 (society)|ハロハロ ]

 マニラからバンコクに向かうタイ航空機内。飲み物のサービスにやってきた日本人スチュワーデスが一瞬たじろぎ口ごもった。関西空港始発のため周囲はほとんど日本人客。筆者が日本人に見えなかったため、日本語を口に出すのをためらったようだ。後で本人に「一体どこの国の人間と思ったのか」と尋ねると、「中国系のマレーシア人」との答えが返ってきた。

 フィリピン暮らしが長くなるにつれ、日本に帰る頻度が極端に少なくなった。日本にはもう二年半戻ってない。そのせいか最近、大半のフィリピン人が「韓国人か」と尋ねる。韓半島とは一衣帯水の北部九州の生まれであり、「自然な反応」と受け止めている。バンコクでは怪しげな日本語を話すタクシー運転手に「あんたはどうみても日本人には見えない」と高笑いされた。

 社会が作る「顔」がある。日本に戻らず近隣諸国を回り、しかも身に付けてるモノに「メードインジャパン」、「ブランド品」は皆無である。筆者の表情、身なりから「東南アジアの雰囲気」が醸し出されているはずだ。「人間とは社会的諸関係の総体」と定義したのはかのカール・マルクス。学生時代の理論的理解を超え、今やそれを体感している。      (康)

ハロハロ