日野モータースフィリピン(HMP)はこのほど、ラグナ州カランバ市に所在する同本社および組立・製造工場において、報道陣と関係者を対象とした「創立50周年記念イベントおよび工場見学ツアー」を行った。
来客数は137名を数えた。主賓として、貿易産業省産業開発サービス局のマリア・ディチョーサ局長や丸紅フィリピンの下田社長、丸紅株式会社モビリティ事業部の若林部長らが招かれた。日野自動車株式会社(本社)からは小木曽聡社長が駆けつけた。
イベントの冒頭にまず、HMPの設立から現在までの経緯と業績が説明された。次に挨拶に立った小木曽社長は「フィリピン日野自動車が50周年という大きな節目を迎えられたことに感謝する。これも半世紀という長期間にフィリピンの人々に高品質の商用車とサービスを提供してきた組織全体の献身的な努力の賜物。そして今日、HMPの最新の生産ユニットを紹介できることに際し、すべての社員の努力、知識、献身を称える」と感謝を述べた。
また、同社長は「現在、HMPはグローバルな日野ネットワークの重要な一部となっている。これは日野自動車の『トータルサポート』という理念のもとに成り立っている。HMPによる日野自動車のグローバルオペレーションへの貢献に深く感謝している。今後数年間で、さらに大きな成功を収めることができると確信している」と期待を示した。
さらに、HMPのビセンテ・ミルズ会長の長い間の献身に対して、小木曽社長及び来賓などから特別な賛辞と謝辞が贈られた。ミルズ会長もこれまでの苦労を語った上で、来賓などに感謝の意を述べた。
▽バスを目玉商品に
式典の後、今年MHPが特に販売に力を入れるという「トラック車両:XZU730LN」と「バス車両:FG Bus(乗車定員61人)」が紹介された。担当者は「特にバスは弊社の目玉商品として力を入れていく商品だ」と目を輝かせて語っていた。
その後、報道各社を4班に分けて工場見学を行った。工場見学では、大型トラックや新型ジプニー、小型バスの組み立てや特注トラックの製造工程などが紹介された。大型トラックは、ある程度組み立てられた状態で比に輸入される。小型バスは土台部分がインドネシアや日本から輸入され、同工場で車体と椅子を取り付けて組み立て、塗装される。特注バスは通常生産しているトラックの後部を顧客の要望に合わせて製造するという。同工場では組立だけでなく、一部で注文に合わせた製造も行っている。また、工場の従業員の殆どは同社の近郊の住人であるということで地域の繁栄にも貢献している。
日本本社から出向しているMHP副社長の妹尾洋樹さんは、2月の初旬に離任を迎えることを明かした上で、イベントについて感想を述べた。妹尾さんは「50年に一度となる一大イベントの準備には苦労もあったが、多くのお客様にお越しいただき盛大にこの日を迎えられ、その記念すべき日に立ち会えたことを大変嬉しく思う。私は4年前のコロナ禍の最中に赴任し、振り返ればあっという間の4年間だったが、皆様の支えにより無事に業務を遂行することができた。深く感謝したい」と語った。
同日夜、首都圏パラニャーケ市の統合リゾートホテル「OKADA MANILA」のグランドボール・ルームで昼間のイベントと同じ来賓、HMPの役員、従業員、ディーラー・パートナー、メディア関係者、賓客など268人を招いて50年の歴史的なイベントに対する祝賀会が行われた。
▽50年にわたり供給
日野モータースフィリピンは、商用車とディーゼルエンジンのグローバルリーダーである日野自動車の子会社。1975年3月に設立されたHMPは、50年にわたりフィリピン市場に高品質のトラックとバスを提供してきた。同社は、卓越性や革新性、持続可能性へのコミットメントにより、現在も輸送業界において信頼されるパートナーであり続けている。現在の同社会長はビンセント・ミルズ・ジュニア氏で、10月末現在での従業員数は911人。100%出資販売業者が1社(首都圏パシッグ市)あるほか、国内全土に販売店22店舗を展開中。今年上半期(4~9月)の販売実績は新車販売台数が1247台で、補給部品やボディーの売上を含む総売上が30億6100万ペソ。
(萩原裕之)