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名所探訪「フィリピン芸術高校」

1998/12/20 社会

若き芸術家たちの学び家

 マニラ首都圏から車で約二時間南下すると、ラグナ州にあるフィリピン大学ロスバニョス校に到着する。大学構内を抜け花咲き乱れる教員住宅区を過ぎると曲がりくねった坂道となり、両側に原生林が広がり始める。ラグナ湖を見下ろしながら舗装された坂道を上ること約二十分、山頂が急に開け、棟続きのロッジ風建物やコンクリート製の教会風建物が森林の中に点在しているのが目に入る。ここがフィリピン芸術高校だ。

 全寮制の国立高校(四年制)。学生の授業料や宿泊・生活費などはすべて国の奨学金で賄われるため、貧困層の学生も多い。一学年三十人ほどの少数精鋭体制で専攻は、バレー、民族芸能、音楽、ビジュアルアート、演劇、創作文学の六コースから成る。

 当時のイメルダ大統領夫人が、芸術振興策の一つとして一九七七年に設立。卒業生は、フィリピン大学(UP)やサントトマス大学の芸術学部、バレーフィリピンズやバヤニハンなど権威ある芸術団体、さらに欧米の音楽学院などに進み、その後世界的に著名になる芸術家も少なくない 

 国際音楽フェスティバルで活躍するグレース・ノノ、作品「サカイ」など海外の映画人から高い評価を受けているレイモンド・レッド、さらに世界的ピアニストのルエナ・アリエタなどを輩出している。

 四年生で音楽コース(チェロ)を専攻するビクトール・クーさん(16)は「全寮制なので、家族から離れて勉強に集中でき、いろんな才能を持つ学生仲間と深い交流が出来るのでいい」と学生間の交流を自慢していた。

 フェルナンド・ヨセフ校長は、「芸術の基礎を訓練するほかに、フィリピン人としての誇りを持てるよう、毎年、北部ルソンやミンダナオにある先住民の村にホームステイさせて先住民文化を学ばせている」と同校の特色を説明する。

 十二月十日に開かれた芸術祭をのぞくとシェークスピアの「真夏の夜の夢」を学生たちが演じていた。原作のタガログ語版を脚色したもので、ミンダナオのイスラム教徒や北部ルソンの先住民たちの歌や踊りがふんだんに用いられていた。さらに、舞台の裏壁を突き抜けにし原生林をそのまま観客に見せるなど、フィリピンの民話の世界が目の前で繰り広げられた。

(澤田公伸)

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