遠藤和也駐比日本国大使は4日、ソリダム科学技術大臣とともに、東ミサミス州エルサルバドル市に設置されたカガヤンデオロ川流域洪水予報警報センターの開所式に参加した。
日本の国際協力機構(JICA)による無償資金協力事業でフィリピン気象庁が実施する。同州とブキドノン州にまたがって流れるカガヤンデオロ川の流域における洪水予警報システムを改善するため、総額9億3000万ペソ相当の洪水予報関連機器や警報システムなどが導入される。
遠藤大使は式典のスピーチで「災害リスク軽減は依然として両国間の協力の重要な分野であり、この取り組みがフィリピン国民の意識を高め、減災へのさらなる投資を促すことを期待している」と述べた。
また、ソリダム大臣もスピーチで「Xバンドレーダー2機と計13カ所の降雨観測所が設置され、専用通信網が整備されることで我々はよりタイムリーで正確な洪水警報を提供する能力を高めることができ、これまで洪水や異常気象のリスクに直面してきた東ミサミス州の多くの住民たちに希望と安全を届けることができる」と期待を示した。
さらにJICAフィリピン事務所の馬場隆所長もスピーチで「この事業は日比間のより公正でレジリエントな社会に向けた主要なマイルストーンになる」とした上で、「投資機会を提供する大きなインパクトも与えるだろう」と自信を示した。
一方、バディリヤ比気象庁副長官は4日に行われた記者会見で、JICAに対してカガヤンデオロ川流域で今回実施された洪水予報警報システムの供与と同様な支援を、より広大で国内最大の流域を持つルソン地方北部のカガヤン川流域でも実施して欲しいとの要望を明らかにした。(ロビーナ・アシド)