民間世論調査会社ソーシャル・ウエザー・ステーション(SWS)は29日、3月中旬に実施した世論調査で、「過去3カ月の間に少なくとも一度は家族が食べたくても食べるものがない飢餓状態を経験したことがある」と答えた割合が27・2%だったと明らかにした。前月2月に実施した同調査で記録した飢餓率21・2%から6ポイント上昇しており、コロナ禍の真っただ中にあった2020年9月に記録した30・7%以降、過去4年半で最も高い水準となっている。
SWSが昨年12月中旬に実施した「自分たちの家族は貧しいか否か」を尋ねた調査でも「貧しい」と認識している割合が63%となり、過去21年間で最も高い水準だったという結果も発表しており、マルコス政権下で貧困や飢餓といった状況が深刻化していることが世論調査で判明した形だ。
3月の飢餓率のうち「(過去3カ月間で)しばしばか、いつも食べるものがなかった」という深刻な飢餓状態だとの回答率が6・2%あり、「一回かもしくは数回にわたり食べるものがなかった」との中程度の飢餓状態との回答割合は21・0%だった。
昨年通年の同調査による飢餓率の平均は20・2%となっており、今年3月の飢餓率は昨年の平均からも7ポイント増と高かった。
3月の調査結果を地域別にみると、ビサヤ地方における飢餓率が33・7%と最も高く、次いで首都圏(28・3%)、ミンダナオ地方(27・3%)、首都圏を除くルソン地方(24・0%)となっている。
首都圏の飢餓率だけをみると、3月期の28・3%はコロナ禍の20年9月期に記録した同28・2%を0・1ポイント上回っており、過去に例をみない高水準となっている。
ちなみに、20年9月期にはビサヤ地方における飢餓率が40・7%と最も高く、次いでミンダナオ地方が37・5%と2番目に高かった。
今回のSWSの調査は3月15~20日にかけて、全国の18歳以上の成人1800人に対して対面インタビュー方式で実施した。首都圏とビサヤ地方、ミンダナオ地方から300人ずつ、首都圏を除くルソン地方から900人が無作為で選ばれている。
この調査はコロナ禍の初期にはオンラインで実施されていたが、2020年11月から対面インタビュー方式に戻って実施されている。