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9月24日のまにら新聞から

船員憲章法に大統領が署名 比人船員の権利保護の確立目指す

[ 1131字|2024.9.24|社会 (society) ]

比人船員の権利保護や船員養成手続きを国際基準に引き上げることなどを盛り込んだ船員憲章法に大領が署名した

 マルコス大統領は23日、大統領府でフィリピン人船員の権利と福祉を保護し、その船員養成訓練などの国際基準への引き上げなどを確実に行うための船員憲章法(船員のためのマグナカルタ、共和国法12021号)に署名した。公示手続きを経て発効する。

 現在、国内外に50万人いるとされる現役比人船員の職場における正当な給与や労働条件が守られるよう労働者としての様々な権利を保護することを雇用主に義務付けたほか、国際海事機関(IMO)によって策定された船員養成に関するSTCW基本訓練の実施義務化をさらに徹底して遵守することなどが盛り込まれている。

 同法案はこれまで上下両院協議会を何度か通過し大統領の署名を受ける寸前まで来たものの、その都度、海運業界や船員養成機関などから強い批判が巻き起こり、議会に差し戻されて何度も修正が加えられてきた。

 大統領は署名式典でスピーチし「同法の施行でより強化された船員養成承認手続きを策定することになり、我々は船員たちが単に手続きを遵守していることだけでなく、特別に秀でた能力を有し、進化する海事産業の需要にも合致した能力を持つことを確信する」と自信を示した。

 また、大統領は、船員たちが不当労働行為から保護されるようなメカニズムを政府が構築することを約束し、「比人船員たちが適切な研修を受けたり、雇用契約を確保し、正当な給与や手当が支給されるような法的枠組みをさらに強化する」と約束した。

 また、大統領によると、船員たちの労働条件に関する苦情や紛争を処理するための苦情処理システムの構築にも取り組む意欲を示したほか、職場のデジタル化やオートメーション化に対応できる人材を育成するための技能訓練制度や研修制度の確立も目指すとしている。

 署名式に参加した海事庁のルイシト・デロスサントス企画・政策サービス・広報担当部長はメディアのインタビューに対し、「この船員憲章法は国際労働機関(ILO)で採択された2006年の海上の労働に関する条約に遵守するための置き換え措置と考えることができ、必要とされながら長期にわたり遅延してきた非常に重要なものだ」と長年にわたり模索されてきた法制化の実現を評価した。

 同部長は「ステークホルダーの中には今回の法制化で影響を受ける者もいるだろう」と述べ、新法を実施する段階で多くの問題に直面する可能性も指摘している。しかし、「比人船員の基本的な労働者としての権利を守ることは重要だ」とした上で、海運会社が経営難に陥っても船員が船舶の中で放置されたりしないよう、適切な帰国措置を取るべきだとする「本国帰還される権利」などの確立も盛り込まれた今回の船員憲章の重要性を強調している。(澤田公伸)

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