悪の根源をなぜ禁止しないのか POGO問題
大統領府反組織犯罪委員会(PAOCC)は、最近家宅捜索を受けたパンパンガ州ポラック町にあるオンラインカジノ事業(POGO)拠点からビデオ映像を回収した。公開されたビデオには、POGOの従業員が、借金の未払いや「仕事の不履行」などで拷問を受ける様子が映っていた。
しかし、POGOでの身体的虐待の実情が明るみになるのはこれが初めてではない。ドゥテルテ政権下で事業が開始するやいなや、身代金目的の誘拐、拷問、レイプ、人身売買、麻薬取引、殺人など、数々の重大犯罪で逮捕や通報が相次いだ。ターゲットは主に中国人だったが、他の外国人も被害者に含まれていた。
これらの凶悪犯罪は、何千人もの中国人が観光客として入国し、POGOでの違法就労が判明したのとは別問題だ。出入国管理庁の職員は、POGOの労働者の不法入国を助長したとして起訴され、国家警察の特殊部隊のメンバーは、POGOの警備員としての副業が発覚し、解雇された。上院では、アリス・グオがタルラック州バンバン町長になった経緯に、POGOが選挙キャンペーンに資金提供した可能性を調べている。
こうした犯罪や社会悪がPOGOと関連していることが確認されているにもかかわらず、マルコス政権が前政権と同じくPOGOを手放すことができず、別の名前で新バージョンを立ち上げようとしているのは、もはや興味深い。POGOが全面禁止されれば、少なくともアジアの誘拐と拷問の拠点のひとつという比の評判を防ぐことができる。(3日・スター)