ルフィ事件7人目を送還 入管「JPドラゴン構成員と連絡」
「ルフィ事件」に関与したとされる「JPドラゴン」構成員の鹿児嶋孝之容疑者が日本に送還された
フィリピン入国管理局は11日、広域強盗・特殊詐欺を行った「ルフィ一味」とみられる鹿児嶋孝之容疑者(54)を午前10時ごろ日本に送還したと発表した。日本の捜査員とともに、成田行きの日本航空便に搭乗した。ルフィ事件関連で7人目の送還となる。入管はまた、同容疑者が元暴力団員が比で組織した犯罪集団「JPドラゴン」の構成員だと日本の当局から通知されていることも明らかにした。
「JPドラゴン」は日本でうそ電話と警察官への変装でキャッシュカードを詐取する組織的犯罪に関与。ルフィ事件では犯行を支援していたことが明らかになっており、ルフィ一味の「黒幕」説も出ている組織だ。
鹿児嶋容疑者は2022年11月7日、観光客として比に入国。それ以降出国しておらず、違法滞在状態だった。また、日本政府によりパスポートが取り消されていた。
昨年7月11日、比政府は日本当局からの書簡を受領。その中で、同容疑者が「JPドラゴン」のメンバーとしてキャッシュカード詐取関与の容疑で福岡地裁から逮捕状を発付されていることが伝えられた。同10月25日、比当局は送還命令を発令。別のメンバー8人と共に入管の手配リストに入れた。
今年3月4日に首都圏パサイ市のロハス大通りで入管捜査班によって身柄を拘束され、タギッグ市ビクタン入管収容所に収容された。
その後、国家捜査局(NBI)の調査で容疑者が比国内での別の犯罪に関与していないことが確認されたことを受け、送還が実現した。
送還直前、入管のマブラク報道官代行は容疑者を背に声明を発表。「われわれは犯罪者や反社組織が比を隠れ家にすることを許さない。この送還は、比日の連携の強さを示す証拠だ」とし、日本当局の協力に対して感謝を表明した。(竹下友章)