大統領支持率55%に減少 進む貧困層の「マルコス離れ」
3月調査のマルコス大統領支持率は昨年12月より13ポイント減の55%、サラ副大統領は7ポイント減の67%だった
民間調査会社パルスアジアはこのほど、行政・議会の長に関する3月実施の世論調査結果を発表した。それによると、マルコス大統領への支持率は昨年12月より13ポイント減の55%、サラ副大統領は7ポイント減の67%だった。社会階層別にみると両者とも貧困層からの支持離れが最も大きく、大統領は20%、副大統領は14%減少した。
同時に実施された世論調査で7割の国民が「いま最も切迫した問題はインフレ高進」と回答している。高止まりするコメ価格など、エンゲル係数(支出に占める食費の割合)の高い貧困層の生活を直撃する問題に、「全ての家庭に安価な食事」を公約に当選した大統領が期待を抱かせたほど成果を出せず、それによる失望が広がっているとみられる。
サラ氏に対抗し次期大統領の座を狙っているとされ、大統領の母方のいとこでもあるロムアルデス下院議長は8ポイント減の31%、ズビリ上院議長は3ポイント増の52%だった。
また信頼率をみると、大統領は前回から16ポイント減の57%、副大統領は7ポイント減の71%。大統領は、富裕層~中間層で8ポイント、比の人口構成上大多数を占めるといわれる非貧困大衆層で14ポイント、貧困層で29ポイントそれぞれ信頼率を落とした。一方、サラ副大統領は、富裕層~中間層で10ポイント、非貧困大衆層で5ポイント、貧困層で15ポイントそれぞれ信頼率を落とした。
調査は3月6日から10日までの間、全国の18歳以上の比人1200人を対象に対面形式で実施された。(竹下友章)