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3月17日のまにら新聞から

戦争する覚悟はあるのか 対中政策「変節」

[ 770字|2024.3.17|社会 (society)|新聞論調 ]

 2011年、オバマ元米国大統領は「アジアへの転換」として、海軍力の6割をアジア、中国周辺に移した。そして2023年2月、フィリピンでは極めてソフトな「アウトゴルペ」(自主クーデター)が起こった。

 2016年、ボンボン・マルコス氏は「比米協力強化協定(EDCA)は上院の承認を経るべきだった」と発言。2022年1月、大統領候補だったマルコス氏は「南シナ海仲裁裁判に参加したのはフィリピン1カ国なのだから、仲裁裁判はもはや仲裁ではない。したがってわれわれに活用できるものではない」と発言した。

 にもかかわらず、2023年初の中国訪問時に温かく迎えられた後の2月から、外交姿勢を豹変させた。EDCAの米軍利用施設増設を承認し、中国が実効支配する南シナ海の海域に「犬」を放った。米国はそれを手を叩いて喜んだ。2023年2月以降の大統領の変節は、米国との取引に乗ったものであり、大多数の国民の支持を受け当選した2022年の自分に対する極めてソフトな自主クーデターだ。

 いま、大統領は「中国の脅威」レトリックを触れ回り、西側諸国との関係強化を求めて世界中を飛び回っている。2023年1月にダボス会議で大統領は「比が軍備を増強する意味はない」と発言していたが、いま、大統領を最高指揮官とする国軍は、国民が貧困にあえぐなか潜水艦を求めて1兆ペソを要求している。また大統領は豪州で「比は第二次大戦時のように最前線にいる」と述べ、ドイツでは「海洋防衛同盟」の構築を訴えた。

 習近平国家主席は直近の全国人民代表大会で中国軍に対し「海洋軍事闘争に備えよ」と指令を出した。中国は米国に対抗する準備ができている。さてマルコス大統領は、ウクライナ戦争のような状況に入る覚悟はできているのだろうか。(16日・スタンダード、コラムニスト・ロッド・カプナン)

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