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3月14日のまにら新聞から

54隻の中国船を確認 南シナ海の4海洋地勢

[ 718字|2024.3.14|社会 (society) ]

比国軍が南シナ海で比が領有を主張する4海洋地勢で、中国海警局船、海上民兵船、中国漁船を合計54隻確認

 比国軍のフランシス・パディリャ報道官は12日、今月11日午後4時時点で、中国海警局船7隻、海上民兵船18隻、中国漁業船29隻が、南シナ海で比が領有権を主張する4海洋地勢に展開していることを確認したと発表した。

 内訳は、比が海軍艦を座礁させて実行支配するアユギン礁(英名セカンドトーマス礁)に海警船1隻、民兵船6隻。2012年に中国が占拠したサンバレス東沖のパナタグ礁(英名スカボロー礁)に海警船5隻、民兵船18隻、漁船10隻。比最西領土のパグアサ島に海警船1隻、漁船6隻。パナタ島(英名ランキアム礁)に漁船7隻。

比政府は南シナ海で実行支配する海洋地勢への定期補給任務を実施しているが、来月第1週にはパグアサ島、コタ島(英名ロイアタ島)、パナタ島、パロラ島(ノースイースト砂州)への補給任務が実施される予定だ。

 ▽万一の事態に備えている

 南シナ海問題で比海軍の報道官を務めるロイビンセント・トリニダッド准将は同じ会見で、比中の緊張が激化する現在の状況について「パガニバン礁(英名ミスチーフ礁)の実効支配を中国に奪われたときほど激しくはない」と指摘。「1993年から1994年にかけ中国が同礁に漁民向けのシェルターを作り、埋め立てを始めた際は、中国海軍と比海軍との間でにらみ合いが数回発生した」と回顧し、「放水砲が発射されたくらいでは、普通のことだ」とした。

 その上で、「比海軍そして比国軍は、平時、危機、戦時というスペクトラムがある中で、常に万一の事態に備えている」と宣言。さらに「比海軍が持てる全ての艦艇を使ってできる限りのことをしている。より多くの軍艦があれば、できることは広がる」と説明した。(竹下友章)

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