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2月23日のまにら新聞から

下院議員57人が「独立運動」拒否 53人はミンダナオ地方選出

[ 920字|2024.2.23|社会 (society) ]

ドゥテルテ前大統領がぶち上げたミンダナオ共和国の分離独立運動宣言に対し、下院議員57人が連名で反対声明発表

 ドゥテルテ前大統領らがミンダナオ地方の分離独立を目指して国連への申し立てを行うための署名活動を行うと宣言した問題で、同地方選出の53人を含む下院議員57人が連名で、前大統領らの「独立運動宣言」を拒否するとした声明文を発表した。22日付英字紙マニラタイムズが報じた。

 声明文は「国家的統一性と開発のための連帯宣言」という題名で、下院のイスラム問題委員会の委員長を務めるモハマド・ディマポロ議員=北ラナオ州=ら下院議員57人が連名で出している。

 声明では「われわれ、ミンダナオの代表として下院議員に選ばれた者たちはフィリピン共和国からミンダナオを分離独立させるとの呼び掛けに断固として反対する。われわれの立場は、ミンダナオの先住民たちを含めた国家の統一に対する信念や、すべての比人に対する平和で発展的な未来への約束に深く根差している」と統一国家に対する強い信頼感を示した。

 また、「マルコス政権による和平と安全保障への注力はバンサモロ自治政府との和解やエンパワーメントに対する政府の約束と軌を一にしている」とした上で「永続的な平和は、対話や相互の尊敬、法による統治を通じて主権国家の旗の下で達成されると信じている」と現政権への支持を改めて強調した。

 声明文に署名したのは、53人がミンダナオ地方の下院議員で、それ以外はマルガリタ・ノグラレス議員=政党・英雄的なアスリートたちの力=ら政党リスト制選出の3人、ジェラルド・エスピナ議員=ビリラン州選出=だった。

 ドゥテルテ前大統領は、自身が進めた麻薬戦争に伴う超法規的殺害問題を捜査する国際刑事裁判所(ICC)への比の復帰や改憲方法、盟友の宗教指導者、キボロイ師の扱いなどを巡ってマルコス大統領・ロムアルデス下院議長体制との対立を深めており、1月下旬に「ミンダナオ共和国」の分離独立に向けた署名活動を開始すると発表した。前政権期に一時下院議長としてドゥテルテ氏を支えたパンタレオン・アルバレス現下院議員=北ダバオ州=が独立運動の指導を一任されており、国連への申立てを通じた東ティモールやシンガポールなどをモデルとしたミンダナオ地方の分離独立を構想しているとされる。(澤田公伸)

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