「比日関係をさらなる高みに」 新年祝賀会に約600人
日本大使公邸で邦人団体と大使館による新年祝賀会開催。越川大使「比日関係は黄金時代を超え、さらなる高みに発展」
マニラ日本人会、フィリピン日本商工会議所、在比日本国大使館は17日、首都圏マカティ市の大使公邸で新年祝賀会を開催した。祝賀会には、招待を受けた在比邦人ら約600人が参加し、年に一度の交流を楽しんだ。今年は、日比友好議連メンバーの青山大人(あおやま・やまと)衆議院議員も、比での事業展開を視野に視察に訪れた土浦商工会議所の訪問団を連れて参加した。フィリピン日本商工会議所の下田茂会頭が乾杯の音頭をとり、参加者は新年の集いを祝福し合った。
越川和彦駐比日本国大使はあいさつで、去年実現したマルコス大統領の2度の訪日、岸田首相の比訪問の成果を振り返り、「マルコス政権では国内・外交政策が大きく変化した。経済、安全保障、文化、人的交流をはじめ幅広い分野で協力関係が深まり、かつてないほど強い信頼関係で結ばれている。今やその関係は黄金時代からさらに新たな高みへと発展しようとしている」と報告した。
そうした上で、「日本の軍事侵攻、戦争など両国の関係は常に順風満帆ではなかった」と両国に横たわる不幸な歴史にも触れ、「昨年はキリノ大統領による日本人戦犯恩赦70周年。国立英雄墓地のキリノ大統領の墓標に多くの在留邦人・企業代表者が集い、キリノ大統領の許しの心、政治家としての卓越した先見性、寛容の精神に感謝を込めて献花した」とし、戦後の関係修復となったキリノ大統領の決断にする感謝を改めて表した。
さらに、「今日、フィリピン国民は世論調査で日本を最も信頼する国の一つに挙げている」と報告。「ここにおられる長年比社会に貢献されてきた方々を含む、先人たちのそれぞれの分野での真摯(しんし)な取り組みのおかげで、両国の信頼関係は強まっている」とし、岸田首相のスピーチを引用しながら「比日関係の基礎は人と人との絆」だと強調した。
また、「大使館の最も重要な任務は邦人の安全・安心・健康に役立つこと。お困りのことがあればいつでも気軽に大使館に相談を」と呼びかけた。
マニラ日本人会の高野誠司会長は「日本人会はコロナ禍の3年間ほとんど活動ができなかったが、昨年から、盆踊り、文化祭、ソフトボール大会、総会を再開し、新たに生活オリエンテーション、フットサル大会もできた」と報告。
また、マニラ日本人学校の児童・生徒数について、「コロナ前450人いた児童・生徒が、コロナ禍で一時は150人まで減っていたが、今は420人まで回復した。先生方には世界一の日本人学校を標榜して頑張っていただいている」と述べた。(竹下友章)