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1月5日のまにら新聞から

中国軍が比米艦を追尾 空対空ミサイル実弾演習も 南シナ海比米合同哨戒

[ 1089字|2024.1.5|社会 (society) ]

比軍が米空母打撃群と南シナ海で合同哨戒を実施。同じ日程で哨戒を行った中国のミサイル駆逐艦から追尾を受けた

比米艦船を追尾する中国艦=比国軍提供

 南シナ海で米空母打撃群が参加する2日間の比米合同哨戒が始まった3日、中国南部戦区が空海軍による定期哨戒を同海域・同日程で実施すると発表した。南部戦区は4日には空中目標を探知する早期警戒機、艦載機、戦闘機を投入し空対空ミサイル実弾演習も行った。一方、比国軍のトリニダット報道官は4日、3~4日の合同哨戒を含む比米共同活動中に、比の排他的経済水域(EEZ)の訓練海域内で中国艦から追尾され続けていたことを明らかにした。

 3日の合同哨戒に同行取材した英字紙インクワイアラーなどによると、中国艦と遭遇し、追尾される一部始終を報道。比海軍の哨戒艦BRPラモンアルカラス(112メートル)、哨戒艦BRPグレゴリオデルピラール(115メートル)、ドック揚陸艦BRPダバオデルスール(123メートル)が同日朝、西ミンドロ州西沖の訓練海域に行くと、中国海軍フリゲート艦「黄山」(134メートル)に遭遇した。BRPグレゴリオデルピラールは「ここは比のEEZ内だ。貴艦の目的は何か」と無線を送ると、黄山は「われわれの領海内で合法的活動を行っている」と返答。比側が「貴艦の行動は比中関係に影響を与える。関係当局にも報告される」とすると、それ以上の返答はなかった。

 そこに中国海軍ミサイル駆逐艦「合肥」(157メートル)が合流し、比艦船を追尾した。午後、米軍の駆逐艦USSステレット(155メートル)と合同哨戒、戦術運動・通信訓練を実施したが、その間も中国艦は追尾を続けた。

 4日は、米原子力空母USSカールビンソン(333メートル)、駆逐艦USSストレットのほか、ミサイル巡洋艦「USSプリンストン」(172メートル)、「ミサイル駆逐艦USSキッド」(155メートル)が参加。米空母への比艦載ヘリの着艦訓練などが行われた。また米空母艦載戦闘機が洋上哨戒を実施した。

 トリニダット広報官は、まにら新聞に対し、哨戒を含む海上共同活動は2日から実施される予定だったが、米軍の「作戦上の必要」で短縮され、予定していた砲撃訓練など一部の活動がとりやめになっていたと明らかにした。 また、活動期間中、比海軍ミサイルフリゲート艦BRP「ホセリサール」(107メートル)も投入され、哨戒を行ったとした。

 中国外務省の汪文斌報道官は4日の会見で、今回の共同海上活動を「軍事力の誇示を意図した挑発的軍事行動」として非難。「このような演習は海洋紛争の管理にとって有害であり、当事国に対し無責任な行動をやめ、南シナ海の平和と安定の維持に取り組む国々の努力を真剣に尊重することを求める」とした。(竹下友章)

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