パグアサ島にPCG新基地 船舶自動識別システムなど装備
南シナ海南沙諸島にあるパグアサ島で1日に比沿岸警備隊の新基地施設の竣工式が行われた
フィリピン沿岸警備隊(PCG)は1日、南シナ海南沙諸島最大の島でフィリピンが実効支配するパグアサ島で、沿岸警備隊の新基地竣工式を開いた。鉄筋コンクリート3階建ての本舎とその周辺の建物群からなり、レーダーや船舶自動識別、運航管理システムなど先端技術も導入されている。商業運航する比や多国籍の船舶や航空機だけでなく、南シナ海での進出を強化する中国の艦船や民兵船などの動向を監視する役割も担っている。
竣工式にはロニー・ガバンPCG長官、エドゥアルド・アニョ大統領顧問(国家安全保障担当)、アンドレス・センティーノ大統領顧問(西フィリピン海問題担当)、エルメール・サルミエント運輸次官らが参加した。
アニョ大統領顧問はスピーチで「中国が比国内の分断を作り出すために情報戦を含めた多面的なアプローチを仕掛けている」と述べた上で、「対抗するためには、すべてのセクターを含めた包括的な対策が重要だ」と強調した。
パグアサ島の旧PCG基地は、2021年12月にミンダナオ地方北部からセブ島などビサヤ地方を縦断し、各地で甚大な被害をもたらした大型台風オデットで全壊し、仮設の施設で隊員の駐屯などを継続させていた。(澤田公伸)