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11月14日のまにら新聞から

「勝利を祝う時だ」 6年半を経て保釈される 前政権が逮捕したデリマ被告

[ 1253字|2023.11.14|社会 (society) ]

ケソン市の国家警察本部に収監されていた元上院議員のレイラ・デリマ被告がモンテンルパ地裁から保釈された

モンテンルパ裁判所を出るレイラ・デリマ被告=13日、首都圏モンテンルパ市で(デリマ氏のフェイスブックページから)

 首都圏ケソン市の国家警察本部に収監されていた元上院議員のレイラ・デリマ被告(64)が13日、モンテンルパ地裁から保釈された。違法薬物取締キャンペーンなどドゥテルテ前大統領が絡んだ人権侵害を追及する中で、自身が違法薬物取引容疑をかけられ、6年半以上にわたって収監されていた。デリマ被告は喜びのあまりその場で泣き崩れた。同地裁はこれまで、保釈への却下を再三言い渡しており、今年6月にも申請は退けられていた。

 デリマ被告はアキノ政権下での司法相時代に、ニュービリビッド刑務所で違法薬物取引を行う大物受刑者らに、「みかじめ料」の支払いを命じたなど、ドゥテルテ政権から3件の容疑で起訴されていた。後に政府側証人はいずれも、「政府からデリマ受刑者に不利な証言をするよう強いられた」として前言を撤回。デリマ被告の取引関与を否定していた。その結果、今年6月までに2件で無罪判決が出ている。

 同地裁第206支部のジェネル・ギト裁判長は「6月7日の裁判所命令は再考される」とし、デリマ被告に保釈金30万ペソの支払いの許可を伝えた。デリマ被告は直後に裁判所内で「やっと自由になれる。わたしは正義と自由を求め、何年も全力で叫び続けてきた。この日が来るのを懸命に祈ってきた。身に覚えの無い罪で勾留されるのは本当に辛いが、今日は悲しみたくないし、恨みたくもない。勝利を祝う時だ」と喜びの思いを口にした。

 デリマ被告のフェイスブックページには13日、同地裁内で集まったメディア関係者に「フリーダム(自由)」と叫ぶ様子が載った。また、直後には地裁の外で待ち構える多くの支持者から「デリマを今すぐ自由に」との掛け声が連呼され、多数の警官に連行される被告が、それを受けて高々と片手を挙げていた。収監先に戻る車両に乗り込む間も、歓喜の声があふれた。

 同裁判長はこの日、デリマ被告の事件に絡んで逮捕されていた被告数名を保釈扱いにした。デリマ被告の元運転手ロニー・ダヤン被告と元助手のジョネル・サンチェス被告、元司法省矯正局長のフランクリン・ブカユ被告、警察協力者ホセ・デラ被告の4人。

 ボニ・タカルドン弁護士は記者団に「デリマ元上院議員は当然受けるべき正義が受けられるようになり、今日で収監は終わる」と記者団に語った。「警察署本部には保釈手続きのためだけに戻る。いくつかの医療書類など書類処理が残っている」とも続けた。

▽上院からの声も

 上院時代に同僚だったリサ・ホンティベロス上院議員は13日、神への感謝を口にし、「6年もの厳しい収監を経ても彼女の精神は屈しなかった。誰もがその帰還を待ち続け、この日が来ることを知っていた」と声明で述べた。一方、国家警察長官時代の2016年に、押収した「グッバイ・デリマ」と書かれた違法爆竹を手に喜んでいたデラロサ上院議員は、「三権分立を守り、裁判所の決定を尊重する」と語った。

 デリマ被告は、ダバオ時代にドゥテルテ大統領と親しかった同警察長官の指示で逮捕された。(岡田薫)

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