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10月10日のまにら新聞から

22人救出、複数人拉致か 戦争状態のイスラエルでOFW

[ 962字|2023.10.10|社会 (society) ]

ガザ地区近くに住むOFW22人を救出。複数人がハマスによって連れ去られた可能性も

 パレスチナ自治政府ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが7日朝に3000発以上のロケット弾を発射するなどイスラエルへの大規模攻撃を開始し、イスラエルも「戦争状態」を宣言して報復空爆を実行、双方で死者が千人を超える中、戦闘地帯となっているイスラエルのガザ地区付近のベエリ地区などで、イスラエル軍が22人の海外比人就労者(OFW)を救助した。

 一方で、比人2人が負傷し病院に搬送されたほか、7人が行方不明になっている。ハマスは攻撃開始の直後にイスラエルの国境を越えて民間人やイスラエル兵を拉致している。

 在比イスラエル大使館は、同国軍がイスラエル時間9日午後1時時点でガザ付近のベエリ地区などから比人介護労働者ら22人を救出したことを明らかにした。ただし、同地区に住む比人男性1人は救出されていないことを報告し、「けがを負い、ハマスに連れ去られたという証言もある」と述べた。その上で、「複数人の比人が誘拐された可能性がある」とした。

 救助された22人のうちの1人モニカ・ヒボソさんは、雇用主の家が攻撃に遭い炎上、逃げ出したところを、雇用主とともに救出され病院に搬送された。

 また海外労働者福祉庁は9日の早い段階で、ハマスによる攻撃開始後から約15人の比人が行方不明になっていたが、そのうち2人はイスラエル軍の掃討作戦中に「安全な場所」に潜んでいるところを救出されたと発表した。同日時点の行方不明者7人。また、比人1人が戦闘中に被弾し、イスラエル国内の病院で治療を受けていると発表した。移住労働者省はこれまでに少なくとも25人の比人とその家族がイスラエル内の安全な場所に移動することを支援したと発表した。比外務省は、消息不明の比人について「どんなこともありえる」として誘拐されている可能性を指摘した。

 マルコス大統領は8日、移民労働者省や在イスラエル比大使館など関係官庁にイスラエル在住比人の安全を確保するよう指示した。移民労働者省には今回の戦闘で影響を被った比人専用のホットラインが開設された。また入管は緊急帰国を支援すると発表している。

 海外労働者福祉庁によると、現在イスラエルに2万4807人の比人がおり、200人がガザ地区に近いアシュケロン、アシュドト、スデロトを拠点にしている。(竹下友章)

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