新聞論調 比の教育には改革が必要 不就学者が785万人に
不就学者が多い状況を鑑み、政府は教育改革に力を注げ
比統計庁が今週発表した統計データから、この国の厄介な側面が垣間見れる。同庁によると、2022年、5~24歳の比人の18・6%が通学していない。これは約785万人に相当する。
不就学の理由として、「高等学校・大学の修了」が21・1%。次いで「就職」19・7%、「興味がない」12・6%、「結婚」10・7%、「教育費が高額または経済的な問題」9・9%と続いた。
教育は個人の成長を確実に保証するものではないが、人びとに生活の質を向上させる機会を与える。また国家の競争力や繁栄においても重要な役割を果たし、教育の先進国は教育とイノベーションを最優先し、全国民がアクセスできる質の高い教育に資源を注ぐ。
フィリピンでは幼稚園から高等教育までの義務教育は高品質な教育に結びついていない。教育関係者はコロナ禍がこの問題をさらに悪化させ、対面と遠隔の混合形態への移行を余儀なくされた2年間に、学習格差が拡大したことを危惧している。
パンデミックはさらに家計も悪化させた。授業料や雑費など親の負担は少なくない。学齢期の子どもを何人も持つ家庭の多くは補助金や民間団体からの寄付金にも関わらず、学用品を賄う余裕がなかった。
政府はロックダウン以前から、基礎教育における高い退学率や、比人が読解力や数学、科学で他国に劣る国際的なテスト結果などを基に学習格差に取り組み、カリキュラムに手を加えている。一方、教師陣は給与や労働条件の改善を求め続けている。比統計庁のデータは教育部門に改革の必要性が喫緊の課題であることを示した。(27日・スター)