きょう特別休日 ニノイ氏暗殺から40年 各地でミサや集会行われる
前マルコス政権下でベニグノ(愛称ニノイ)・アキノ元上院議員が暗殺されてから21日で40周年
前マルコス政権下で暗殺されたベニグノ・アキノ元上院議員の命日の前日にあたる20日、進歩派政党アクバヤンは、首都圏マカティ市アヤラ通りのニノイ・アキノ記念碑前で左派系連合ティンディグ・ピリピナスとともに集会を行った。アクバヤンのラファエラ・デイビッド党首は演説で、特に若者に対して「歴史を学び続け、真実と民主主義を守ろう」と呼び掛けた。米国に亡命していたベニグノ(愛称ニノイ)・アキノ元上院議員がマニラ空港に到着した直後に暗殺されてから21日で40周年を迎える。20日の英字紙スター電子版が報じた。
21日は政府によって特別休日に指定されている。ニノイ&コリー・アキノ財団によると、首都圏ケソン市のサント・ドミンゴ教会で21日に追悼ミサが行われるという。
同氏の遺骨は、パラニャーケ市のマニラ・メモリアル・パークにある妻コリー・アキノ元大統領と息子のノイノイ・アキノ元大統領とともに埋葬されており、毎年、アキノ一家や支持者たちがこの時期に墓参りをしている。
一方、英字紙などの報道によると、バタンガス州やケソン州、サマール州の一部の警察署のソーシャルメディア(SNS)にこのほど、1971年のやはり同じ8月21日にマニラ市キアポ教会前で行われた野党「自由党」による国政選挙に向けた決起集会が爆破され、多数の上院議員候補を含む100人以上が死傷した「プラザ・ミランダ爆破事件」を利用し、故ニノイ・アキノ氏を「共産主義テロリスト」と吹聴する投稿も出回っている。
ニノイ・アキノ元上院議員は1983年8月21日、3年間亡命していた米国から中華航空機でマニラ空港に到着し、多数の知人や支援者、乗客らが見守る中、国軍兵士3人に連行される形で搭乗機からタラップで降りる際に何者かによって銃撃を受けて殺された。当時のマルコス大統領の独裁政治に異議を唱え続けた同氏は野党の顔だった。この暗殺事件を機に反マルコス運動がさらに広がりを見せ、マルコス一家がハワイに亡命する86年2月のアキノ政変(エドサ革命)につながった。(沼田康平)