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8月9日のまにら新聞から

2週間以内に補給再開 座礁船撤去約束「存在しない」

[ 1090字|2023.8.9|社会 (society) ]

詰め所としている座礁艦への補給を再実施へ。中国が主張する同艦撤去の約束は「存在しない」

 南シナ海南沙諸島アユギン礁(英名セカンドトーマス礁)で比海軍が詰め所として利用する座礁艦への補給業務を行おうとした比海軍・沿岸警備隊(PCG)の船艇に中国海警局が危険操船と放水銃発射で妨害した事件を巡り、国軍のアギラール報道官は8日、比国軍が補給作戦を2週間以内に再度実施するとの意向を表明した。事件が生じた5日は、比の補給ボート2隻のうち、1隻が放水によって補給任務を断念。同報道官は「配置職員のための食料、水、その他の艦内生活のために必要物資は半分しか届いていない」とし「国軍は座礁艦を決して見捨てない」と強調した。

 また同日、国家安全保障会議のジョナサン・マラヤ事務局長補佐は、中国側による「比政府が仁愛礁(アユギン礁)に軍艦を『不法に』座礁させた1999年以降、比は座礁艦をえい航すると何度も約束したが、まだ実行していない」とする反論に対し、「国家安全保障会議が把握する会議記録や議事録、報告書、法的文書、口頭の合意にそのような記録はない」と再反論した。

 海警局による妨害事件に関し、米国は6日、「PCGの合法的活動に対し、中国は国際法に反する妨害・威圧行為を行った」として比への支持を表明。「PCGへの武力攻撃で比米相互防衛条約は発動する」と中国に警告した。

 それに対し、中国外交部(外務省)の王文斌報道官は7日、「仁愛礁に軍艦を座礁させる行為は、不法な現状変更の試みだった。比は同艦を撤去する約束を果たしていないばかりか、仁愛礁を永久に占領するため座礁艦を修理・強化しようとしている」と主張。「比側が度重なる警告を無視し建築資材を搬入しようとしたため海警局は放水銃を使用した。このような比の行動は南シナ海行動宣言(DOC)に違反する」と比側を非難した。

 さらに、米国に対して「座礁艦を修理・強化しようとする比を扇動するとともに、軍用機や軍艦を送り込み、比米相互防衛条約を引き合いに出して脅しをかけることにより、比による中国主権侵害を堂々と支援している」と主張。

 また中国の主張を全面的に退け、アユギン礁な複数の海洋地勢に対し、比の排他的経済水域および大陸棚内であることを認定した2016年仲裁裁判所判断について「米国が裏で糸を引いた、法の名目の下に演出された純粋な政治劇だ」主張。同判断は「国連海洋法条約を含む国際法に反しており、違法かつ無効だ」とした。

 座礁艦BRPシエラマドレは第二次世界大戦期に建造された揚陸艦で座礁させてから24年経っており、老朽化が激しいことから配置職員の生活環境を維持するための補修が必要となっている。(竹下友章)

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