「日刊まにら新聞」ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
33度-24度
両替レート
1万円=P3,800
$100=P5870

6月14日のまにら新聞から

「フィリピンに来たみたい」 上野で比エキスポ2023開催

[ 1041字|2023.6.14|社会 (society) ]

上野公園でフィリピンエキスポ2023が開かれた。比料理の屋台などが立ち並ぶ

(上)伝統打楽器クリンタンを体験する木村佳宏さん(左)。(下)ポークバーベキューを焼く屋台からは香ばしい煙が立ち込めた=10日、東京・上野公園で冨田すみれ子撮影

 東京都台東区の上野公園で6月9~11日、フィリピンエキスポ2023が開催された。家族連れで賑わう上野公園に、フィリピン料理の屋台や文化体験など50以上のブースが立ち並び、多くの人が列を成した。

 フィリピンエキスポは毎年、夏に上野、秋に葛飾区・新小岩で開催しており、6月のエキスポは、12日のフィリピン独立記念日を記念して開かれている。一般社団法人フィリピンエキスポ主催で、例年、5万人以上が訪れる大イベントになっており、今年は3日間で計7万人が訪れた。ステージでは、比日のバンドやアイドルが両国の歌を演奏し、観客からは大きな歓声が上がった。

 ブースには、都内のフィリピン料理店やフィリピン食材店などが出店。日本ではなかなか手に入らない、レチェフランやハロハロ、ロンガニーサなどが販売された。屋台から立ちこめるチキンイナサルやポークバーベキューを焼く香ばしい煙の匂いは、フィリピンの路上の屋台を思い起こさせた。コロナ禍の水際対策や航空運賃の高騰でなかなかフィリピンに帰国できていないフィリピン人も、上野公園に現れた「フィリピン」を満喫した。会場には、フィリピン人と結婚している日本人らが家族連れで訪れるほか、休日に上野公園を訪れていたフィリピンに馴染みのない日本人らも立ち寄り、エキスポを楽しんだ。

 運営委員会によると、日本人にフィリピンについて知ってもらうことがエキスポ開催の大きな目的の一つ。ダバオへの日本人移民120年を記念して、ダバオの文化などを伝えるブースも設置された。ブースでは、日本で暮らすダバオ出身者らがドリアンやマンゴスチンなどのダバオ特産のフルーツや民族衣装、楽器などを紹介。東京都板橋区から訪れた木村佳宏さん(26)は、比の伝統打楽器クリンタンの演奏を体験し、「まるで休暇でフィリピンに来たみたい」と笑顔を見せた。たまたま友人と上野公園を訪れ、エキスポに立ち寄ったという木村さんは「フィリピンについて知る機会はなかなかないので貴重な経験をしました。マニラやダバオに行ってみたい」と話した。

 長野県諏訪市でALT(外国語指導助手)として中学生に英語を教えるエフレン・ナデラさん(31)は東京に観光に来ている際にエキスポについて知り、友人と訪れた。コロナ禍もあり、フィリピンには3年帰国しておらず「エキスポに来て、フィリピンが恋しいと思いました。今日は、長らく食べていないバロットやポークバーベキューを食べたいです」と話した。(東京=冨田すみれ子)

社会 (society)