領収書を運転免許証代わりに カードの調達困難で 陸運局
プラスチックカードの在庫切れを控え、陸運局は領収書の裏に運転免許証を印刷し、QRコードも併記した暫定的なペーパー免許証の発行へ
陸運局(LTO)を率いるトゥガデ局長はこのほど、4月末までに運転免許証用プラスチックカードの在庫が底をつくとの見方を示した上で、全国の地方事務所に対し、プラスチックカードの在庫が切れた場合には免許証申請費用の正式な領収書に追加情報を印刷して「一時的な運転免許証」として発行するよう求める新通達を発令した。22日の英字紙マニラタイムズが報じた。
LTOの新通達によると、免許証用プラスチックカードの在庫が切れた際には、用紙の裏側に本来の免許証に印刷される表裏の免許証のスクリーンショットがそのままプリントされ、QRコードも印刷された領収書を発行し、その領収書を一時的にペーパー運転免許証として使用することが定められている。
同局長によると、現時点で、およそ520万人の免許証の申請者がいると推定されているものの、免許証用プラスチックカードの在庫は14万7522枚しかなく、これらの申請者の大半に対しては、プラスチック製ではなく免許証情報が印刷されただけの領収書が発行される見通し。
陸運局は国家警察のハイウェーパトロール隊などとも協議しており、暫定的に領収書に印刷された運転免許証やQRコードを通じた本人確認を持って従来の免許証と同等に扱うよう要請を行ったという。
この対応に対して公共サービス委員長を務めるグレース・ポー上院議員は「用紙に印刷された免許証は破れやすく偽造もしやすい。免許証所持者のセキュリティーを損なう可能性がある」と懸念を表明した上で、様々な申請などに利用できる政府発行の重要な証明書である運転免許証を、紙製ではなくプラスチック製で提供できるよう運輸省なども介入して状況を改善すべきだと訴えている。