「日刊まにら新聞」ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
33度-25度
両替レート
1万円=P3,780
$100=P5880

2月7日のまにら新聞から

きょう2容疑者先行送還 あと2人は大統領と同日か

[ 903字|2023.2.7|社会 (society) ]

レムリヤ司法相、4容疑者について、「7日朝に、2人を送還する」と発表

審理に向かう原告女性2人(手前後ろ向き)=首都圏パサイ市でジャスパール・タン撮影

 レムリヤ司法相は6日夕方、広域連続強盗に関与したとみられる4容疑者について、「明日(7日)朝に、2人を送還する」と発表した。日本の捜査員も6日に比に到着していると明らかにした。連続強盗や特殊詐欺に関連したとされている4容疑者のうち、比国内での刑事訴訟が棄却済みの今村磨人容疑者(38)と藤田聖也(としや)両容疑者(38)がきょう先行送還される。

 また、パサイ地方裁判所で6日、指示役「ルフィ」とみられる渡辺優樹(38)、小島智信(45)両容疑者に対する公判が開かれた。比政府による日程繰り上げ要求を受け、予定より1日早く開かれたが、この日も公訴棄却の判断が下されたとの発表はなかった。

 パサイ地裁のドスペブロス書記官は記者団に対し、渡辺、小島両容疑者の公訴を棄却する動議があったことを明らかにした上で、「まだ命令がないので、あす公判が開かれるかどうかを話すことは出来ない」と述べた。ただし、6日付のパサイ地裁公判予定には、7日に両容疑者の公判予定が記されている。同書記官によると、6日の公判に渡辺、小島両容疑者はオンラインで出廷。両容疑者の元パートナーの原告女性2人は対面で出廷した。

 きょう全容疑者が送還されなければ、残り2人の送還の日程がマルコス大統領が公式訪問のため出発する8日と重なる可能性も高くなる。通常、大統領の海外訪問前には出発式と会見が開かれるが、その会見で現政権に対する日本の経済協力や、「準同盟化」を進める比日防衛協力強化より、「ルフィ」に質問が集中するという事態も起きかねない情勢だ。

 ▽比日取材合戦

 6日の公判には、両容疑者から暴行を受けたとして告訴している元パートナーの原告女性2人も出廷した。パサイ地裁には日本メディアと比メディアが押し寄せ、スマートフォンを持った記者やカメラマンが肘で互いに押し合い、われ先に原告女性の顔を撮影しようとした。

 元パートナーの代理人を務めるエルジュン・リコ弁護士にも取材陣が殺到。当初同弁護士はインタビューに応えようとしていたが、行く手をふさぎ大声で質問をぶつける報道陣に怒り、そのまま裁判所を後にした。(竹下友章)

社会 (society)