藤田容疑者の公訴棄却 週明けに送還日程が決定へ
日本での連続強盗事件で、藤田容疑者の比国内訴訟が棄却。2容疑者が送還可能に
タギッグ地裁116支部のマーリー・パグカリナワン裁判官書記官は3日午前、日本での連続強盗事件への関与が疑われる4容疑者のうち、藤田聖也(としや)容疑者(38)について、1日に刑事訴訟が棄却されていたことを発表した。藤田容疑者は、フランシス・アルカンタラという名の比人弁護士に対し「弁護士資格を剥奪する」と脅迫したとして改正刑法237条(脅迫罪)違反として告訴されていたという。
藤田容疑者の最初の審理は21年11月22日に開かれたが同容疑者は出廷せず、翌年3月2日の公判にも欠席していた。
レムリヤ司法相は同日夕方、今村磨人(38)容疑者含め4容疑者のうち既に2容疑者の公訴が棄却されていることを確認。その上で「確かなことは、来週に強制送還を開始するということだ」と明言し、2人先行送還の可能性を強調した。さらに「航空券の手配が済み、護送者(日本の警察)が来れば送還可能だ」と説明した。
同相はまだ訴訟を抱えているのは「ルフィ」とみられている渡辺優樹(38)と、小島智信(45)の2容疑者が比国内で抱える訴訟について、「送還を遅延させるためのものだと考えている」と断定。「われわれの立場は正しいと確信している」と自信を示した。
▽残る訴訟に動議提出
司法省のクラバノ報道官は3日夕方、7日に予定されていた両容疑者の公判を6日に早めることを求める動議をパサイ地裁に提出したと発表した。さらに、6日午後4時に関連官庁・在比日本国大使館と会合を開き、容疑者らの強制送還の日時・手続きなどを決定する予定だとした。6日に残り2人の訴訟も棄却されれば、8~12日に予定されているマルコス大統領訪日前に一括送還される可能性も残る。
▽入管職員36人が解任
出入国管理庁のサンドバル報道官は3日午後、まにら新聞の取材に対し、入管のビクタン収容施設=首都圏タギッグ市=の収容者監視担当職員のトップを含む36人を解任したことを明らかにした。先月31日に行われた同収容施設の強制捜査で、携帯電話6機が発見されたことに対する処分という。
また同報道官はラジオ番組に出演し、「入管のタンシンコ長官も施設内で携帯や鋭利な物が没収されるという事態を調査する必要性を認識している」と説明。施設内に監視カメラを設置するとともに、長官自ら収容施設内を視察し、改善点を検討するとしている。(竹下友章)