比米経済に重要な役割 在米比人コミュニティーと対面
マルコス大統領が米国ニュージャージー州ニューアークの空港に到着。比人コミュニティーと対面
国連総会への出席などのため、米国に向けて18日にフィリピンを出発していたマルコス大統領は、米国時間の18日午前11時53分ごろに、ニュージャージー州ニューアークの空港に到着した。大統領はその足でニュージャージー芸術センターに向かい、在米フィリピン人コミュニティーと対面、そこで約1500人の比人に感謝の意を表し、比米双方の経済において比人が果たしてきた役割の重要性を再確認した。
マルコス大統領は1時間を超えるスピーチの中で、在米の同胞は「誰もが大使だ」と述べた。「周囲の友人にフィリピンへ旅行を促し、比系の中小企業はフィリピンにどんどん投資してほしい」とし「それがフィリピン経済発展の大きな助けになる」との認識を示した。不動産方面以外にも広く地元企業への投資を呼び掛けた。
また「介護士や家事労働者、ベビーシッターといった誰もが、雇用主をフィリピンに招待し、比が持つ美しさともてなしを楽しんでもらう以上に、貿易投資の可能性を探ってもらうことで、外交官と同じことができる」と強調。「フィリピンでビジネスを始めたい人がいれば、大使館や領事館に知らせてほしい。最終的に取引は成立に向かうだろう」とも助言した。
大統領によると、海外に住む約1000万人以上の比人による定期的な送金が、2021年は348億8000万ドルと過去最高を記録した。送金が比政府への継続的な支援である事実を挙げ、「海外に住んでいても、愛国の思いを示すことはできる」と説明した。
一方、演説では新型コロナに感染し少なくとも30人の比人医療従事者が命を落としたことにも言及。その上で大統領はニューヨーク在住の比人コミュニティーへ哀悼の意を表した。「命を落とした同胞の勇姿が決して風化することはないと約束できる。彼らはフィリピン人であることの真の意味を世界に示してくれた」とし「その意思を引き継ぐ」重要さを述べた。
大統領はさらに、海外比人就労者(OFW)の自国経済への貢献を称え、外務省と移民労働者省(DMW)の更なるサービス改善も約束した。(岡田薫)