サル痘感染者を比で初確認 今月海外から帰国、現在自宅に
保健省が比における「サル痘」の最初の感染者を確認したと発表。海外からの帰国者
保健省は29日、世界で感染が拡大している「サル痘」のフィリピンにおける最初の感染者が確認されたと発表した。感染が判明したのは7月19日に海外から帰国した31歳のフィリピン人で、渡航先や名前、性別は明らかにされていない。渡航先はサル痘が確認済みの地域だとしている。
同省のビバリー・ホ報道官によると、熱帯医学研究所でのサンプル解析の結果、28日に同比人の感染が判明。患者は一時的に病院にいたが、自宅に戻り、現在様子をみている状況だという。同時に保健省は濃厚接触者10人を隔離施設で観察下に置いているという。
ホ報道官は「サル痘の症状には発熱、リンパ節腫脹、発疹など命にかかわることはさほど無い」とした上で「すぐに医師の診察を受けることで回復は早められる」と述べた。また、サル痘ワクチンの「市場への出回りは少なく、一部の人への接種にしか対応できない。供給確保に向けて現在、米国政府と調整している」とする一方で「新型コロナのように国民全員が予防接種を受けなければならないわけではない」とも念を押した。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は23日に、サル痘が新型コロナウイルスと同様に「国際的に懸念される公衆衛生上の非常事態」であるとの宣言を行った。これを受けて、ベルへイレ保健相代行は同日、「サル痘への防疫対策は既に着手している」とする声明を発表していた。
サル痘は日本でもすでに感染例が見つかっており、28日には東京で2例目となる30代の男性の感染が判明している。(岡田薫)