「違法行為と混乱引き起こす」 セブ州マスク任意化令に警告
アニョ内務自治相がセブ州のマスク任意化令に「違法行為と混乱を招く」と警告
セブ州のガルシア知事が8日に出した屋外や換気された場所でのマスク着用任意化令(知事令第16号)を巡り、アニョ内務自治相は15日、「知事令は大統領令に違反しており、違法行為と混乱を招く」と警告した。地方自治体を管理し、国家警察を傘下に収める内務自治省は、マスク着用など新型コロナに関する最低限の防疫規則の実施や取り締まりを担っている。
ガルシア知事は13日に「セブ州では当局がマスク不着用で身柄を拘束した場合、不法逮捕となるだろう」と発言しており、地方と中央の対立が先鋭化している。
同相はラジオ番組で、ドゥテルテ大統領が昨年11月に発令した防疫警戒レベル制・最低限の防疫規則を定める大統領令第151号に言及。今回の知事令は、公務員が公布済みの法令・規則に違反する行為を促すことを禁止する「汚職防止法」(共和国法第3019号)に「違反している」との見解を示した。
ゲバラ法相も13日、マスク着用義務など防疫規則の細則を定めた「新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)決議も、大統領令に根拠付けられており、知事令に優先する」との見解を発表。また「地方自治体の権限は、憲法第10条4項により大統領の管理下に置かれている」とも指摘した。
一方、セブ州議会は14日、知事令と同じ内容の州条例を制定。ガルシア知事が州議会に緊急の制定を呼びかけ、議会ガルシア派が中心となり3回の読会を約30分で済ませて可決した。同条例は一般に発行される新聞への掲載日から15日後に発効する。
国家警察のセブ州本部は、知事令を支持する立場を示していたが、12日に州本部長が解任されている。(竹下友章)