「まるで日本の一部のよう」 初の地下鉄事業で大統領 掘削機の下降式執り行われる
首都圏バレンスエラ市で同市とパラニャーケ市を結ぶ国内初となる地下鉄事業のトンネル掘削機の下降式が執り行われ、ドゥテルテ大統領も出席した
首都圏バレンスエラ市ウゴンで12日、同市とパラニャーケ市を結ぶ国内初となる地下鉄建設事業(15駅27キロ区間)に向けたトンネル掘削機の下降式が執り行われ、ドゥテルテ大統領も出席した。
同日午前に催されたマニラ市のリサール公園での独立記念式典に参加後の大統領をはじめ、ボン・ゴー上院議員やトゥガデ運輸相、越川和彦駐フィリピン日本国大使らに対し、日本製の巨大な掘削機のカッターヘッドや地中に設置された本体部分が披露された。
大統領は式典の演説の中で「日本人のこの共和国に対する愛情は計り知れない。この国で実施されているプロジェクトの多くが国際協力機構(JICA)によって進められ、支援されている。それが彼らの海外援助の形だ」と述べた。
また「過去は過去だ。これまで日本は私たちを助け、ダバオ市でさえも新しい高速道路や橋などが作られ、まるで私たちも日本の一部であるかのように思える」とした上で「この事業でも、支払いは年利0・01%で12年間の猶予期間がある。ダバオ空港でさえ、ほとんど無料だ。それが日本流の『援助』ということだ」と強い感謝の気持ちを表した。
越川大使は「今日の下降式は日本とフィリピンがいかに緊密な協力関係にあり、日本がいかに約束の履行に誠実に向き合ってきたかを示すものだ」と強調。「フィリピンで初となる地下鉄事業は、ドゥテルテ政権のレガシーとして歴史に刻まれていくものだろう。この『世紀の事業』は日本とフィリピンの人々の友好の証だ」とも語った。
越川大使はさらに「インフラ整備を通じて、より快適で便利な生活を一人でも多くのフィリピン人に提供すると言うフィリピン政府の主要な一翼を担えることにこの上ない幸福を感じている。工事に携わるすべての方々の安全を心から願っている」とも付け加えた。
同地下鉄事業は2028年の完工を目指している。(ロビーナ・アシド、岡田薫)