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「マルコスを再び大統領府に」 最後の選挙集会に100万人

2022/5/9 社会
(上)登壇するボンボン・マルコス大統領候補/(下)夜になると大物テレビ司会者のウィリー・レビリャメさんがダンサーを引き連れパフォーマンスするなど大人向け演出も加わった=7日、竹下友章撮影

ボンボン―サラ陣営が最後の選挙集会を開催。参加者は主催者発表で100万人を超えた

 故マルコス元大統領の長男ボンボン・マルコス大統領候補と、ドゥテルテ大統領の長女サラ・ドゥテルテ副大統領ペアの陣営「ユニチーム」は7日、パラニャーケ市ソレアホテル前海浜公園で選挙運動最後となる大規模集会を開催した。約30ヘクタールの同公園は両候補のシンボルカラーである赤と緑の服を着た支持者で埋め尽くされ、参加人数は主催者発表で100万人を超えた。

▽まるで「野外フェス」

会場には複数のステージと巨大スクリーン、クレーンカメラ2台が設置。DJが会場を盛り上げるなか、比系米国人P&Bシンガーのクリス・ローレンスさんをはじめ多数のアーティストが次々パフォーマンスを行い、さながら「野外音楽フェス」の様相を呈した。

歌手のザイレン・バレンシアさんのステージでは、ボンボン氏の息子ビニー・マルコスさんがサプライズ参加しウクレレを演奏。さらに報道官としてドゥテルテ政権を支え、現在はユニチーム公認で上院選に立候補しているハリ―・ロケ元大統領報道官が登場し、バックダンサーと共に踊りながら自身のキャンペーンソングを歌った。 

▽エドサ革命の否定

 午後7時を過ぎると集まったユニチーム公認候補者らが演説を開始。「マルコスを再びマラカニアン宮殿に戻そう」と呼びかけた。

 ビリヤール家出身で前公共事業道路相として現政権のインフラ促進政策「ビルド(建設)・ビルド・ビルド」を推し進めたマーク・ビリヤール前公共事業道路相とロケ元報道官は、ボンボン―サラ氏ペアが現政権の継承者であることを強調。

 また、現政権下で民放大手ABS―CBNの放送免許更新阻止を主導したことで知られるマルコレタ下院副議長は「(1986年の)エドサ革命は首都圏の一部で起こった事件に過ぎない。国家レベルの政変のように言うのは詐欺だ」と発言。さらに「アキノ家はなぜ(エドサ革命の契機となった)ニノイ・アキノ殺害事件の首謀者を明らかにしなかったのか?それはマルコス元大統領が悪者だと印象操作をするためだ」と述べた。

 ABS―CBNは、マルコス政府に弾圧されエドサ革命後地位を回復したロペス財閥系メディア企業。ABS―CBNに割り当てられていた周波数帯域の使用権は現政権下でビリヤール家傘下の放送局が取得。ボンボン氏が当選した場合、親ビリヤール、反ロペスという政・財界関係も維持されそうだ。

▽対照的な二人

 ボンボン、サラ正副大統領候補は午後10時を過ぎてようやく登場。サラ氏は選挙パレードや戸別訪問など支援者の貢献を数え上げ「これ以上皆さんに求めることはない」と感謝を述べ、時より感極まった様子を見せた。

 ボンボン候補は集会の最後に登壇。「選挙を始めたときはほんのささやきだけたった支援の声が、今や大きな声援となった」とし「投票日まで寝ずに備えよう」と呼びかけた。

 サラ氏はスピーチ中に「間(ま)」をはさむことで支持者からの声援を引き出すなど、聴衆に対し双方向的な演説を行い、長さも約8分にまとめた。

 それに対し、ボンボン氏は聴衆に反応する暇(いとま)を与えず演説し、長さも20分を超えた。サラ氏の演説は終始盛り上がりを見せていたが、ボンボン氏の演説中は帰宅し始める支持者も散見された。(竹下友章)

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