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3月19日のまにら新聞から

南北通勤鉄道の新車両を初披露 総合車両製作所の第1陣到着

[ 873字|2022.3.19|社会 (society) ]

南北通勤鉄道第1期事業向けに納入される総合車両製作所の車両104台のうち第1陣の車両が18日に公開された

運輸省に引き渡された総合車両製作所の次世代ステンレス車両=在フィリピン日本国大使館提供

 ドゥテルテ政権のインフラ促進政策「ビルド、ビルド、ビルド」に含まれる主要鉄道事業の一つで、日本政府とアジア開発銀行の協調融資を得て建設が進められている南北通勤鉄道の第1期事業(マニラ市トゥトゥバン〜ブラカン州マロロス市、38キロ区間)に投入される日本製の新規車両104台のうち第1陣が比運輸省に引き渡され、そのお披露目式典が18日に行われた。

 トゥガデ運輸相と共に式典に参加した越川和彦駐フィリピン日本国大使は「この鉄道事業はパンデミック後のフィリピンの経済再活性化のけん引につながるだろう」と述べた。「交通渋滞の緩和、そして効率的な運輸機関が提供されることによって、南北通勤鉄道がビジネス環境の改善に貢献していく」との自信も示した。

 同鉄道第1期事業に投入される鉄道車両の納入契約は日本の住友商事と総合車両製作所(神奈川県横浜市)が受注。計104両(8両13編成)を総合車両製作所が製造し、2023年2月までに比運輸省に引き渡しを終える予定。

 南北通勤鉄道が完成すれば1日当たりの利用者は30万人が見込まれており、第1期区間のトゥトゥバン〜マロロス間の通勤時間が従来の約90分から35分に短縮される。

 

▽南北通勤線の延伸事業向けも受注

 一方、住友商事は18日、プレスリリースを発表し、南北通勤鉄道の延伸事業向けの鉄道車両納入事業(304両、契約金額約725億円)を比政府から受注し、同日に契約締結したことを明らかにした。延伸事業は第2区間(ブラカン州マロロス市〜パンパンガ州クラーク国際空港、51・2キロ)と第3区間(マニラ市ソリス〜ラグナ州カランバ、56・5キロ)を合わせた事業で、住友商事と総合車両製作所が唯一応札した企業連合体となっていた。全車両の引き渡しは2028年頃までに完了する予定。

 住友商事と総合車両製作所は南北通勤鉄道向けだけでなく、2020年12月にはやはり日本の政府開発援助(ОDA)事業にあたる首都圏地下鉄向けの鉄道車両納入事業(240両、契約金額約575億円)も受注している。(澤田公伸)

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